図解でわかる、注意すべき「種類別ねずみの侵入ルート」一覧
ねずみは、ほんのわずかなすき間からも家の中に侵入してきます。ねずみが入り込むことのできる穴の大きさは、子どものねずみなら1.5cm程度、大人でも2.5~3cm程度の広さがあれば入ってこれるといわれています。500円玉大の穴があれば、ねずみは家に入ってこれることになります。特にハツカネズミは体が小さく、ほかのねずみよりもずっと狭いすき間からも侵入してきます。
私たちの住まいには、ねずみの視点で見れば、意外と多くの「穴」があります。ねずみがどこから侵入してくるのかを把握することは、ねずみ対策にとっても重要です。「どうも家の中にねずみがいる気がする…」というときは、駆除業者に一度見てもらえば、ねずみに侵入されていないか、いるとすればどこから侵入されているのか、正確なチェックが受けられます。
以下では、そうした駆除業者への取材にもとづいて、ねずみが住まいに侵入する代表的なルートについて解説していきます。
ねずみの種類別、住まいへの侵入ルート
以下は、一般的な住宅における、ねずみの侵入ルートを図であらわしたものです。
ルート図を見てもわかるように、実に多くの箇所が侵入口になっていることがわかると思います。ネズミはフットワークが軽いので、簡単に2階や高層階に上ってきますし、時には網戸を食い破ったりして堂々と窓から侵入してくる場合もあります。荷物に紛れて侵入してくるネズミに関しては不可抗力の部分がありますし、これらの侵入経路を自力で完璧に防ぐのはかなり難しいです。
また、イラストの侵入経路以外にも、老朽化した家や隙間が多い建物などは、他にもネズミの侵入口がある可能性が高いです。素人では判断がつかないような、思いもがけない場所から侵入してくる事もありますが、プロの駆除業者であれば家や建物をある程度確認しただけで侵入口を判明してくれます。
駆除の際には業者が侵入口などを教えてくれるので、今後の対策なども聞いておくとよいでしょう。
ねずみはその種類によって、行動のしかたに差異があるので、好む侵入口も異なります。その違いをまとめたものが以下になります。
ねずみの種類 | ドブネズミ | クマネズミ | ハツカネズミ |
---|---|---|---|
侵入しやすい場所 | ・家の基礎のすき間 ・床下の通風孔 ・戸袋 ・台所の配水管 ・トイレの配管 |
・壁の割れ目 ・屋根のすき間 ・エアコン導入部 ・換気扇 ・排水パイプ ・二階の窓 |
・壁の割れ目 ・屋根のすき間 ・エアコン導入部 ・シャッターの下 ・荷物に紛れて |
※ねずみの種類についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
種類別に、侵入の特徴を詳しく見ていきましょう。
ドブネズミの侵入ルート
ドブネズミは体が大きく、湿気にも強いのが特徴です。床下・家の基礎にできたすき間のほか、台所やトイレの排水口・配水管まわりからも侵入してきます。古い構造の家だと、汲み取り式のトイレから直接這い上がってくるケースもあります。
反面、体の大きさのために高いところへとのぼるのは苦手です。屋根やエアコンのパイプを伝って侵入する例はあまり見られません。そのため、マンションの高層階ではドブネズミの被害はあまり心配しなくてもいいでしょう。
クマネズミの侵入ルート
クマネズミは、身軽さが特徴のねずみです。ドブネズミがのぼれない、高いところからも簡単に侵入してきます。電線を綱渡りすることさえ可能で、屋根の排水パイプも軽々のぼってきます。2階だからといって窓を開けっぱなしにしておくと、電線伝いにそこから入ってくることもあるほどです。屋根瓦のすき間から屋根裏に入ってくることもあります。
図を見てもあきらかなように、いちばん広範囲な箇所から家に侵入してくるのがクマネズミです。ねずみの侵入対策は、クマネズミをおもなターゲットに、念入りに多くの箇所をふさいでいく必要があります。
ハツカネズミの侵入ルート
ハツカネズミは身体が小さいため、ほかのねずみの入り込めない場所にも侵入してきます。また、他のねずみに比べて乾燥にも強いことから、民家ばかりでなくねずみ対策が忘れられがちな倉庫・物置に侵入する事例も多くみられます。その方法は壁の割れ目・屋根のすき間のほか、商店などのシャッターのすき間からも入ってきます。
まれなケースではありますが、運び込まれる荷物の中に紛れ込んで侵入してくるものもいます(海外からの荷物の場合によくある事例です)。
家の中の痕跡「ラットサイン」から侵入口を突き止める方法
ねずみがどこかから侵入してきて家の中にいる場合、どこから入ってきたのか、突き止める方法はあるでしょうか?
ねずみは、家のさまざまな場所にその痕跡を残してゆきます。それを「ラットサイン」と呼びます。ねずみの姿そのものを見なかったとしても、ラットサインを見つけることで、ねずみが家に出入りしている証拠となります。ラットサインとは、
- ・家具や壁、床に残った「擦ったような黒い汚れ」
- ・家具などが齧られた跡
- ・小さな黒いフン、尿がこぼれた跡
を指します。以下にねずみのフンの画像を掲載します。形や大きさはねずみの種類によって異なるのですが、おおむね4~10mm程度の、黒いかたまりがそうです。フンからねずみの種類を判別する方法はこちらのページで説明していますので参考にしてください。
プロのねずみ駆除業者は、こうしたラットサインをたどって、ねずみの侵入ルートを突き止めます。業者のような経験のない人にとっては、ラットサインを見つけることはできても、侵入ルートを確実にたどるのは難しいかもしれません。ですが、ねずみがどういった箇所から入ってきやすいのかを知ってておけば、ラットサインを見つけた場所との位置関係から、おおよその推測はできるでしょう。
ねずみの侵入口がだいたいでもわかったら、対策を施しましょう。ねずみの侵入を止める方法は以下の記事で詳しく解説しています。