蜂被害から身を守るために。被害を最小限に止める対処法まとめ
蜂から身を守る最大の方法は、「蜂に近づかない」とともに「蜂を身の回りに寄せ付けないようにする」ことです。そして蜂に遭遇してしまったときに、正しい対処をすることも大切です。
ここでは蜂の習性を踏まえて、その被害から身を守るための適切な方法を紹介していきます。下記に要点をまとめました。
蜂を寄せ付けない | 香水や匂いの強い整髪料は避け、白っぽい薄い色の服装を選ぶ。 |
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遭遇時の対処法 | 大きな声を出さず、激しい動きをせずに、そっとその場を立ち去る。 |
刺された場合 | 毒を洗い流す。ショック症状の疑いがあれば至急、病院へ。 |
蜂の巣を見つけたら | 土地の管理者に知らせる。自宅の場合、駆除業者か地域の役所に相談を。 |
蜂を寄せ付けない方法~匂いと服の色に注意する
まず、蜂には次のような習性があります。
- ・フルーツや花の香りに似た、甘い匂いのものに引き寄せられる
- ・黒、赤、青など濃い色のものに攻撃性を示す
こうした習性があることを理解していれば、蜂を寄せ付けないために、匂いや色に気をつければいいことがわかるでしょう。登山やキャンプ、フィールドワークなど、野外へ行くときには、以下のようなことに、特に注意されることをお薦めします。
匂いについての注意 | 香水などはつけず、匂いの強い整髪料は避ける。 |
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服装についての注意 | 白っぽい、なるべく薄い色の服装を選ぶ。 |
キャンプ場で、放置されていた飲みかけのジュースの缶に蜂が寄ってきていて、驚いた観光客が刺されてしまう事例も報告されています。甘い匂いのするものが蜂を引きつける性質があることがわかっていれば、注意することができるでしょう。特に、蜂の攻撃性が高まる7~9月頃は、野山での服装・匂いに気をつけておくことをお薦めします。
【参考】蜂の出やすい季節に注意!
遭遇時の対処法~静かにゆっくり遠ざかる
次に、蜂に遭遇してしまった場合の対処法を解説します。この場合も蜂の習性をよく知っておくことが必要です。こちらから蜂の巣を突いた、などという場合ではなく、蜂のほうから部屋の中に入ってきたり、すぐそばに飛んできたというときは、即座に刺されるということはないでしょう。単独行動中の蜂なら、刺激さえしなければ基本的に刺すことはありません。
蜂はこちらを敵だとみなした場合に攻撃してくるのであり、そのきっかけとなるのは、大きな音や激しい動きといった蜂に対する刺激です。そのため、蜂を見かけたら、
- ・大声を出さない
- ・慌てて動かない
という点を徹底してください。驚いて大声を出してしまうと、その音で逆に蜂を驚かせてしまい、攻撃をされてしまう場合がありますし、蜂は機敏に動くものに反応する習性があるので、急に逃げ出すと追いかけてくることがあり、大変危険です。
蜂を見たら、まず落ち着く。そして、蜂を刺激しないよう、そっとその場を立ち去るようにしてください。家の中に入ってきてしまった場合は、窓を開け、蜂が出て行ってくれるのを静かに待ちます。
【参考】蜂の習性を知ろう
刺された場合の正しい対処法~毒を絞り出し、患部を冷やす
もし、刺されてしまった場合は以下のような対処を行ってください。
- 速やかにその場から離れる
- 傷口を洗い毒を絞りだす(※口で吸い出さないこと)
- 傷口に虫さされ薬を塗る(※「おしっこをかける」のは効果なし)
- 傷口を冷やす
そして、息苦しさや動悸、吐き気、じんましんや顔の紅潮といった、ショック症状の兆候があらわれた場合は、大至急、医療機関を受診するようにしましょう。アナフィラキシーショックという、生命にかかわる危険な状態になることがあります。
このとき、次のようなものがあると役立ちますので、野山に出かけるときは準備しておくとベターです。
あるとよいもの | 効果など |
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毒の吸引器 (リムーバー) |
毒を吸い出すのに役立ちます。登山・アウトドア用品店で手に入ります。 |
虫刺され薬 | 抗ヒスタミン系成分を含むステロイド系軟膏を使用してください。 蜂毒による痛みに効果的です。 |
保冷剤 | 蜂に刺された傷は熱をもつので、患部を冷やすことで痛みがやわらぎます。 |
【参考】蜂に刺された!イラストで見る応急手当とその後の対応
【参考】アナフィラキシーショックの症状・対処療法から注意事項までのまとめ
蜂の巣ができているのを見つけたら~地域の役所に相談する
どこかで蜂の巣を発見した場合、やはり不用意に近づくのは避けてその場を離れたうえで、土地・建物の所有者・管理者に連絡をするのが最善です。
自宅の場合は、駆除業者に依頼してもいいですし、地域の役所などに連絡してもアドバイスをもらうことができます。ただし、役所で駆除作業まではやってもらえない場合が多いですので、その点は理解しておきましょう(「駆除業者の紹介」や「駆除グッズのレンタル」など、役所でやってもらえる内容は地域によって異なります)。役所での対応が遅くなりそうな時や急を要する場合は、駆除業者に対応を依頼した方がスムーズな場合もあります。