ドアクローザーの修理・調整・交換の方法
ドアクローザーとは、ドアの上部に取り付け、油圧によって、ドアをゆっくり自動的に閉めることができる装置です。ドアから手を放した時などに「バタン」と大きな音をたてたり、強い衝撃を与えることを抑える効果があります。主に玄関ドアなどで採用されていますが、最近では、家の中の廊下やリビングのドアにも取り付けられるよう、形状や大きさなど、インテリアに違和感のない製品もあります。
普段、あまりドアクローザーの存在に注目することはないと思いますが、ドアクローザーにトラブルが生じることもあります。ここでは、そんな場合の対処法を紹介します。
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ドアクローザーの種類
ドアクローザーの型は大きく2種類あり、取り付ける位置によって分類されます。
名称 | パラレル型 | スタンダード型 |
取付位置 | 押す側のドア面に付けるタイプ | 引く側のドア面に付けるタイプ |
特徴 | 180°は開かない。内側に付けるので、一般的に玄関ドアにはこのタイプ | 180°は開かない。90°の位置に壁があると使用できない場合がある |
ドアクローザーのよくあるトラブル
ドアクローザーには、以下のようなトラブルが起こることがあります。
ドアの閉まる速度が遅くなる
ドアクローザーは内部に油が使用されているため、季節の温度変化によって、油の粘性が変化してドアの速度が多少変化します。こういった場合は故障ではないので、問題ありません。近年は内部の油の改良によって、通年の速度変化はほとんどなくなったようです。ゆっくり閉まるからといって、ドアと枠との間に手を挟んだりしないように注意しましょう。気温が高い季節なのに、速度が遅くなり、それでも閉まる場合は速度調整が可能です。
ドアの閉まる速度が速くなる
逆に、ドアの閉まるスピードが速くなることがあります。なんらかの不調でドアクローザーが本来の機能を果たしていない状態と言えます。このとき、以下のような症状がないかチェックしてみてください。
・完全に閉まる位置の10°位からのスピードが早くなり、「バタン」と大きな音がする。
・ドアがストップしなくなった(ストップ機能付きの場合)
・ドアストップを解除する時、「バチン」と大きな音がする。
これらについては、自分で対処できる場合もありますので、後述します。
本体から油が漏れる
ドアの閉じる速度が極端に速くなり、事故につながる恐れがあります。ドアクローザーは分解、改造、油の注入などはできませんので、できるだけ早くドアクローザーごと交換する必要があります。分解などをすると内部の油が飛び出たり、思わぬけがをしたりするので、絶対しないようにしましょう。
自分でできるドアクローザーの調整方法
閉まる速度が速くなった場合
本体の油漏れチェックをする。漏れが確認できれば交換しましょう。油漏れがなければ、速度調整弁で調整します。ドクローザーの本体側面にある調整弁を調整しましょう。調整弁の横の刻印で調整範囲を表示しているものもあります。プラスドライバー型、マイナスドライバー型、専用スパナ型などがあります。
調整弁を時計回りに回すと速度は遅くなり、調整弁を反時計回りに回すと速度は速くなります。季節に関係なく閉じる速度が遅くなった場合も同じように調整できます。調整弁を緩めすぎると油漏れを起こします。調整弁を本体面の高さまで回すと緩めすぎになります。
調整弁の1個タイプは閉じ際の調整が非常に難しく、閉じる速度に問題がある場合は交換をした方がいいでしょう。現在は調整弁が2個以上ついているものがほとんどです。
完全に閉まる10°位からのスピードが早くなる場合
取り付けミスの可能性があります。リンクとアームの位置を確認してください。リンクとは戸口(建物)側に接続されている部分をいい、アームはドアクローザー本体側に接続されている部分をいいます。
ドアクローザーは、「ドアを閉じた時、パラレル型ならリンクがドアと並行に、スタンダード型ならリンクとドアが垂直になっている」のが、正しい状態です。ドアに対してリンクが斜めになっている状態であれば調整が必要です。
調整は、
1 リンクとアームの連結を外す。
2 アームを手前に引き、リンクがドアと並行になる長さに調整した後、リンクとアームを連結する。
という手順で行います。
ドアの閉まるスピードが遅くなった場合
遅くても閉まるのであれば、スピード調整で対処可能です。冬場は油の粘性が固くなり、スピードが遅くなることがあります。ここ5年ほどで、本体内部の油の粘性が改良され、年間通じて、速度が変わることがほとんどなくなったと言われています。
ドアが止まらなくなった。または、ストップを解除する時、「バチン」と強い音がする
ドアをストップさせるためには、リンクを止めている壁枠側の「ストップねじ」を緩め、ストップさせたい位置でドアを止め、カチッと金具同士が接する位置で、ねじを締め直す、などして調整できます。ストップする位置を変えたり、ストップしないように設定することもできます。
「バチン」や「ガチガチガチ」などと音がするのは、ギザギザの金具同士がかみ合ってないことがあるので、ストップねじを緩めた後、ドアを揺さぶりながら、噛み合わせて締めなおしましょう。
開閉時に音が鳴る
連動部分のネジが緩んでいる時→ネジ部分をチェックして締めます。緩んでいないが、「音だけがする」場合、アーム、リンク、ブラケットの連動部分に防錆潤滑油をスプレーします。これらの部品のネジを緩めたり、外したりして自ら調整できる場合はいいのですが、ドアや建具事態のゆがみなどによる摩擦が原因の場合、大掛かりな修理が必要になり、
個人の手で修理・交換は難しくなります。
交換の目安は
・ドアクローザーの本体から油が漏れてきた。
・速度調整をしても、数日後にドアの閉まるスピードが速くなる。
・ストップ位置の調整をしても、ストップしない。
・15年以上ご使用のドアクローザー。
・速度調整弁が1個のタイプで、不具合。
こういった状態や症状を出た時には交換が必要です。鉄やアルミ製ドアの場合は、同じメーカーの同機種に変えると簡単です。メーカー名や品番が分かれば同じ商品を探すことができ、交換が可能です。古い場合は機種が変わっている可能性があるので、注意しましょう。
ドアクローザーの交換・修理はどうすればいいのか?
鉄製ドアや木製のドア枠であれば、これまでつけていたものと同じメーカーの商品が手に入れば、取り付け説明書に従って、手順通りにすれば取り付けることも可能ですが、機種が変更になっていた場合は取り付け穴などの位置が変わり、正確に下穴を開ける必要がありますので、素人ではハードルが高くなります。
そんな場合、鍵の専門業者であれば、ドアクローザーの調整・修理・交換が可能ですので、相談してみることをおすすめします。
ドアクローザーは毎日人知れず酷使されているものですので、実は日頃からのメンテナンスが大切です。ドアクローザーのメンテナンスについても、鍵の修理業者が請け負っていますので、定期的なメンテナンスをしておくのが賢明でしょう。
ドアの開閉に問題があり、原因がドアクローザーの問題の問題ではなく、もしも室内ドア、引き戸などが問題だとしても鍵の修理業者が対応してくれるので、ドアクローザーの問題か戸・ドアの問題か不明確な時でも、それぞれ別業者に点検、修理を依頼する必要なく対処可能です。
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