アパート・マンションの鍵をなくしたときの対処法

chintaikagi賃貸で入居しているアパートやマンションの鍵をなくしてしまったらどうすればよいでしょうか? 大家さんや管理会社に連絡がつき、合鍵を用意してもらえるならいいのですが、そうではない場合は、鍵の専門業者を呼ぶしかありません。最近は大家さんや管理会社も合鍵を持たないケースが増えているため、連絡したところで、結局、鍵業者に依頼するケースが多いでしょう。今すぐ開けたい場合は、なるべく近い地域の鍵業者を探すのが先決です。

地域の鍵業者を探す

鍵業者への依頼と前後ないし並行して、やるべきことがいくつかあります。というのも、鍵交換などが必要になった場合、賃貸住宅では入居時に交わした契約に従って行わなければならず、勝手にやってしまうとトラブルに発展しかねないからです。この点を甘く見ると、持家と違い少々面倒なことになるケースがあります。

アパートやマンションの鍵を紛失した際にはどうすればいいのか。スムーズに解決するための対処法をまとめました。


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対処1.警察に「遺失届」を提出する

別記事「財布・鞄を紛失したときに行なうべき対処チェックシート」でも述べていますが、最寄りの交番や駐在所に連絡しましょう。ひょっとしたら届いているかもしれません。立ち寄ったお店など、心当たりがある場所にも手当たり次第連絡してみること。

残念ながら届いていなかった場合は「遺失届」を提出してください。鍵が見つかったとき、手元に届く確率が高まります。直接提出するのが望ましいですが、電話でも受理してくれる署がほとんどです。

対処2.大家・管理会社に連絡する

最近では多くの管理会社が入居者の鍵を預からないスタンスが増えていますが、そうでない場合、自宅に入れる・入れないにかかわらず、紛失した事実は必ず貸主に伝えなければいけません。セキュリティの管理上、鍵穴ごと交換する必要が出てくるためです。

「合鍵があるから大丈夫」など、当面の不都合さがないからといって報告しないでおくのは義務違反に当たる恐れがあります。「交換くらい自分で手配できる」などと勝手にやってしまうのも厳禁。賃貸物件では鍵の交換に際して貸主の許諾が必要です。

合鍵の作成ですら、落としたり盗られたりするリスクがあるため、勝手に作ってはいけない物件もあります。こっそり作っても鍵番号を照合すれば一目瞭然で、退去時に原状回復を理由に複製代金を請求される可能性があります。したがって、紛失した鍵が合鍵であっても連絡だけはしておきましょう。

部屋に入れない場合

スペアキーがない、大家に連絡がつかない等で部屋に入れず、身内や知り合いを頼ることができない場合は、専門の鍵業者に開錠を依頼するといいでしょう。出張サービスという形で24時間対応してくれる業者が全国にあります。

料金は、5,000円~1万円に収まる場合がほとんどです。ただし、地域や時間帯によっては割増されることもあるため、事前にきちんと確認しておいてください。また、設置してある鍵があまりに特殊な場合、出張サービスでは対処できないケースもあります。

対処3.シリンダーを交換する

アパート・マンションは、管理会社や大家が合鍵を持っているはずなので、ひとまず鍵の開け閉めはそれで解決です。問題は、なくした鍵が見つからなかった場合。防犯上、大変危険なので、鍵そのものの交換をオススメします。

貸主が指定する鍵業者がある場合

前述のとおり、鍵の交換に際しては必ず貸主に相談してください。管理会社や大家が提携している鍵業者がある場合や、無料で交換できるサービスを提供している物件もあるので、まずは相談し、指示を仰ぎましょう。繰り返しになりますが、決して勝手に行ってはいけません。

借主の一方的な都合でシリンダー(鍵穴)ごと交換するのですから、賃貸契約書に基づき、その費用は借主が負担することになっています。国土交通省「賃貸住宅標準契約書(改訂版)」にも以下の記載があります。

紛失の場合は、シリンダーの交換も含む

鍵の紛失の場合は、経過年数は考慮しない。交換費用相当分を借主負担とする。

深刻な例としてあるのは、オートロック付きのマンションの場合、共有部分(エントランス、ゴミ捨場、駐車場、外部階段など)に侵入される危険性を理由に、オートロックを含め全戸の鍵の交換費用を請求されるケースです。そうなると、マンションの規模によっては数万円程度では済みません。

ケースバイケースではありますが、いくら契約書に記載されているからといって、全戸の鍵交換代を個人に負担させるのは現実的ではありません。消費者契約法第10条(消費者の利益を一方的に害する条項の無効)に該当するとも考えられますし、入居人の誰かが鍵を紛失する度に交換するのもおかしな話です。戸数の多い物件ならなおさらでしょう。

万一、高額な請求を受けた際は、請求書を明示してもらったうえ、消費者生活センターや法律家に相談するなどしましょう。こちらに100%非があるにしても、交渉の余地はあるはずです。

許可を得て自分で交換する場合

工賃や出張費をかけたくなければ、自分で材料を購入して交換しましょう。少々コツがいりますが、ペンチやドライバーがあれば自分で交換することも可能ですし、シリンダー交換だけならホームセンターでも販売しています。

希望のメーカーと品番が見つからない場合や、錠前すべての交換を望む場合は、専門の業社に依頼するのが素早く、技術的にも安心です。その際は必ず相見積もりをとり、追加料金やキャンセル料金の有無を確認しておきましょう。業社によってピンきりです。料金は、交換するアイテムにもよりますが、作業料込みで2万円~5万円程度が相場です。

鍵代の費用負担に家財保険が使えるのか?

入居時に勧められる、または入居の条件になっている家財保険には、鍵のトラブルを補償する内容が入っていることがあります。

補償内容は各社さまざまですが、対処2「部屋に入れない場合」で解説した、鍵業者を利用した際の費用負担に備えるものが一般的です。保険会社によっては、空き巣に鍵ごと破壊され交換を余儀なくされた場合などをカバーする補償もあります。

ただし、対処3で挙げているような、紛失や盗難がもとでシリンダーを交換する際に生じる費用負担には対応していません。家財保険の補償範囲は敷地内に起きたトラブルだと決められているためです。

自身の過失で第三者の身体やモノに損害を与えた場合に機能する個人賠償責任保険が使えるのでは?と思ってしまいますが、他人から借りたモノの紛失は「自己管理能力の欠如」という理由で補償対象外と決められています。

おわりに

賃貸住宅で鍵のトラブルはつきものです。誤った対処をして貸主とモメるのは本意ではないでしょうから、「警察に届ける」「貸主と相談する」の2点だけはきちんと行いましょう。

また、鍵にアパート・マンション名や部屋番号などを書いた札などを付けたままにしている人がいますが、非常に危険なのでやめましょう。気を付けていても落としてしまうのが鍵です。紛失した際のリスクヘッジをしておくことも大切です。

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