ホームセキュリティの選び方~サービス内容と料金相場をチェック
他外国に比べ長年安全神話のあった日本でも、近年、悪質な犯罪が増え、国民の防犯に対する意識も向上してきています。特に自宅を泥棒などから守る「ホームセキュリティ」に対する関心も高まっています。ホームセキュリティとはどのようなものなのでしょうか? 料金相場や、選び方のポイントなどをまとめました。
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ホームセキュリティとは
ホームセキュリティとは、そもそも「自宅を守る」という意味ですが、マンション、アパート、戸建住宅などの個人住宅、企業の事務所などにおいて、「空き巣や泥棒・火災・ガス漏れ」などから住人の身を守るシステムのことです。
セキュリティ会社と契約してホームセキュリティの機器を設置し、空き巣などが入った時にはそのセンサーが感知して警備会社に自動的に連絡が入り、警備員が自宅へ駆けつけて対処してくれるというシステムです。(警備員の駆けつけはオプションサービスになっている会社もあります。)
ただし、警備員は警察官とは違います。あくまでも一般民間人の社員であるため、警察のように職務質問などのようなことはできません。ホームセキュリティの警備員は契約された住居や事務所などの被害が拡大しないように防止する業務、必要に応じて警察、消防署、ガス会社などに通報するなどの対処をするのが主な仕事です。
ホームセキュリティのシステム例
契約する警備会社や契約の内容によってサービス内容は若干異なります。おおむね次のようなものでしょう。
○導入したセンサーによって不法侵入者を感知した際、侵入者に対して、警報などで威嚇する。または、警備会社に情報が伝わり、警備員が駆け付ける。
○ガス漏れ、火災や煙などを感知した場合に警報音が鳴ったり、警備会社に情報が伝わり、警備会社から即、消防局、ガス会社へ通報したり、警備員が駆け付ける。
○お年寄りの様態の急変や急病人が出た時に専用の緊急ボタンを押すことによって、緊急対応してくれる。
異常反応の情報が入ればすぐに警備員が駆け付けてくれるのか、24時間対応なのかなどのサービス内容を比較検討し、契約前にサービス内容を理解しておくことが大事です。
自らが導入する場合以外でも、例えばホームセキュリティシステムが完備されたマンションを購入する場合もどこまでのサービスが受けられるのか、事前に確認しておくとよいでしょう。
警備員の到着時間は、それぞれ警備会社によって、またその時の交通事情によっても異なりますが『警備業法施行細則』によって警備会社は異常を感知、受信してから25分(地域によって30分というところもあり)以内に警備員を現地まで到着させることが出来るように、警備員、待機所及び車両その他の装備を配置しておかなければならないと定められています。
ホームセキュリティはどのくらい利用されている?
個人宅でホームセキュリティを契約している家庭は、最大手のA社で、全国100万家庭ほどになるとのことです。あたりまえに普及している、というほどではありませんが、今後は増加していくものと考えられます。
個人向け(家庭) | 法人向け(事業所) | 合計 | |
A社 | 約97万9,000件 | 約90万8,000件 | 約188万7,000件 |
B社 | 約23万7,000件 | 約44万件 | 約67万件7,000件 |
※2014年3月の、各社発表による
ホームセキュリティの料金相場は?
ホームセキュリティの料金相場を見てみましょう。以下に、大手三社の料金をまとめました。
ホームセキュリティの料金は、初期費用である工事量と、毎月の月額料金からなり、他に機器が買い取り式ならその料金、レンタルなら保証金などが発生します。工事料などは住まいの形態によって変わってきます。
A社 | B社 | C社 | ||
戸建(4LDK) レンタル |
月額料 | 6,200円 | 6,870円 | 6,000円 |
工事料 | 52,000円 | 53,000円 | 42,400円 | |
保証金 | 20,000円 (契約満了時に返還) |
- | 20,000円 (契約満了時に返還) |
|
戸建(4LDK) 買取 |
月額料 | 4,500円 | 3,500円 | 3,300円 |
工事料 | - | 53,000円 | 42,400円 | |
買取料 | 368,000円 | 194,600円 | 204,500円 | |
マンション(3LDK) レンタル |
月額料 | 4,600円 | - | 5,000円 |
工事料 | 30,000円 | - | 30,000円 | |
保証金 | 20,000円 (契約満了時に返還) |
- | 20,000円 (契約満了時に返還) |
|
マンション (3LDK) 買取 |
月額料 | 3,000円 | - | 3,300円 |
工事料 | - | - | 30,000円 | |
買取料 | 177,900円 | - | 146,500円 |
※いずれも基本サービスには防犯(在宅・外出時)・非常通報・火災監視・警備員駆付けがあります。
※上記の料金はあくまでも目安であり、間取りやセンサーの数などによって料金は変動します。
ホームセキュリティの選び方
ホームセキュリティを導入したい、と思ったら、どんな点に気をつければよいでしょうか。ポイントを紹介します。
セキュリティにかかる費用を複数の会社に見積もりを依頼する
述べたように、費用としては月額料金以外に工事費・機器の買い取り料金またはレンタル料金とレンタル保証金を検討する必要があります。
この他、警備員の出動費用が無料なのか有料なのかも、かかる費用が大きく変わりますので、忘れずに確認しましょう。緊急の事態が発生した時に自分で対処または、警備員を呼ぶのを選ぶプランであれば、一回ごとの費用が発生しますが、月額料金はその分安くなっています。
そもそも警備員の出動のないプランで、警備員を抱えている会社と提携して、警備員の出動要請ができるサービスを行っている会社もあります。月々の費用を抑えるのか、いつでも警備員が駆けつけてくれる安心を選ぶかは、それぞれの家庭の状況で選びましょう。
在宅時と不在時、どちらの防犯を優先するのかによっても料金は異なります。在宅時の防犯では、“窓の閉め忘れ”“就寝時に人がいない1階部分”の在宅時被害も増えています。
こちらの防犯を重視する場合は若干料金は高くなります。
ライフスタイルに合わせた防犯効果を検討
かかる費用で考えた場合も、機器は買い取りなのか、レンタルにするのか、取り付ける機器の数などによっても、一概にどこの会社が安いと言うことはできません。また、料金の安さだけで決めても防犯効果が低いのであれば意味がありません。「自宅の間取り」「家族構成」「ライフスタイル」などを考慮し、自分たちに最適なホームセキュリティを検討することが大切です。
セキュリティ機器の使いやすさを比較
セキュリティ機器も会社やプランによって違いがあります。通報機能がある送信機が壁に備え付けるタイプが一般的ですが、持ち運び可能なものや、コンパクトサイズなものもあります。
プランの選び方によって、様々な機器がオプションサービスになっている場合もありますので、その分の料金が思いの外かかる場合もあります。見積もりを出してもらう時点で機器について、使い勝手とサービス内容をしっかりと確認しましょう。実際に設置前に触って体験できる会社もあるので、利用して使用感を確かめるのも良い方法です。
各社の拠点の位置を知る(重要!)
「拠点を知る」ということは緊急出動時間が短かく到着が早いのかどうかを確認する、ということです。つまり、センサーが異常を感知したら、何分で到着することができるかということです。
その意味では大手ならば全国に2000以上の拠点があるので、近くに拠点がある可能性は高まりますが、実際どこに拠点があるのか、これをあらかじめ知ることはなかなか難しいことです。なぜなら、泥棒が一番知りたい情報でもあるので、警備会社はこの情報を誰にでも開示することはないからです。
資料請求などをして、じっくり比較検討した後、いくつかの会社の担当者に連絡をとって、「自宅との拠点は近いか、どのくらいで駆けつけてくれるのか」を確認しましょう。会社によっては電話では教えてくれない場合もありますので、見積もり段階で、担当者に建物を見せる時に拠点情報を必ず聞くようにしましょう。
賃貸の場合は事前にオーナーにも相談を
ホームセキュリティシステムを導入する場合、ホームセキュリティ機器を設置するため自宅の工事が必要となりますので、賃貸住宅の場合は勝手に工事すると後で大家さん(不動産管理会社)とトラブルになるケースもあります。必ず、事前に相談するようにしてください。
ホームセキュリティの選び方まとめ
いずれにしても、まずは見積もりを出してもらうこと、なおかつ一社で決めてしまわないで、複数の会社で見積もりを出し、その時点で“拠点の距離”や“機器”“プラン”などについてしっかりと確認しましょう。
他社と比較することで、初期費用や、料金プランの値下げをしてくれるところもあるかもしれません。
ホームセキュリティ会社と契約するメリットとしては、警備会社のステッカーが貼ってあることで「防犯を意識している家」だと認識され、空き巣に入られにくい効果もあります。
空き巣はまず施錠していない家を狙うので、ホームセキュリティを導入している、ということはどの侵入口もすべて施錠されている、ということにもなるので、空き巣が避けることが期待できます。
しかしながら、24時間いつでも警備員が出動するホームセキュリティの費用は安くはありません。セキュリティ機器を取り付けるのに有線であれば見栄えがよくないというデメリットもありますので、無線の機器を選ぶとすればより費用も上がります。
費用面で考えるのであれば、鍵の専門業者の中には施錠中の不正な開錠・侵入の方法などを熟知しているので、不正解錠に対応した錠前や防犯フィルムなどの防犯対策アドバイスの他、防犯カメラ・防犯センサー・防犯ライトなどのセキュリティ機器の取りつけ工事を行っているところもあります。
ホームセキュリティ会社に依頼する以外に鍵の専門業者に相談し、費用を抑えて、自ら家の防犯・ホームセキュリティの手立てを講じるいうこともできますので、それぞれの家庭の状況にあったホームセキュリティを選びましょう。
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