自転車の鍵の種類と盗難防止のポイント

手頃な価格の自転車であろうとロードバイクのような高価な自転車であろうと、自分が愛用しているものを簡単に盗まれたくはないものです。チョイノリ感覚で盗んでいく輩もいますが、ロードバイクなど高価なものであれば、パーツだけでも価値がありますので、転売目的で標的にされます。しかし、軽快に走りたい特性からあまり重厚な鍵を持ち歩くのは困難だったりもします。

自転車の盗難で一番多いのが無施錠です。少しの間だからと思っても、狙っている泥棒は確実にいます。また、安易な錠前は簡単に切られてしまったり、ロックをかけたまま運び去られてしまった、ということもあります。自転車の鍵、錠前はどんなものがあり、どのタイプが最適なのか、 また鍵の強度以外に、気をつけるべきポイントなども併せて見ていきましょう。

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自転車の錠前の種類

自転車の鍵を錠前(本体側)と鍵に分けて考えると、錠前は以下のような分類ができます。錠前の強度を「△→○→◎→●」という順で示しています(「●」がもっとも強固)。

名称 強度 特徴
箱状、前輪錠、前錠(主に自転車の前輪部分に取り付ける簡易的でスタンダードな錠) ・自転車の前のフォークに取り付ける・昔はほとんどこのタイプだったが、今は後ろ付きで2個めの錠前として使用されている・2個付ければ防犯力もアップ
リング状、馬蹄錠(自転車中央、後輪部に設置されている輪っか状の錠) ・一般的に自転車の標準装備になっている・前錠よりも防犯力がある
ボタン式リング錠(自転車中央、後輪部に設置されている輪っか状の錠) ・鍵の携行が不要なリング錠
ワイヤー錠、チェーン錠、間接錠(単体で売られていて、地球ロックができる錠) ・長さ、太さ、鍵タイプも様々でバリエーションが豊富・チェーン式:ワイヤーより丈夫だが思い・間接型:金属の平たい板をつなぎ合わせた形。軽いため持ち運びに便利
ダイヤルワイヤー錠(単体で売られていて、地球ロックができる錠) ・鍵の携行が不要なワイヤー錠・番号固定式と好みの番号を指定できる可変式がある・長さ、太さのバリエーションが豊富
U字ロック(分離タイプ。単体で売られていて、地球ロックができる錠) ・Uが長い方、短い方と2つに分離して、ラウンドキーで開錠するタイプ・分離するため車輪とフレームをつなぎやすい
U字ロック、シャックルロック(単体で売られていて、地球ロックができる錠) ・ワイヤー錠より頑強なため、盗難防止効果がある(すべて鉄素材)・タイヤと本体をつなぐので、バイクに使用することが多い
ジョイントワイヤー錠(単体で売られていて、地球ロックができる錠) ・ワイヤー・スチールジョイント・カバーの3種構造になっていて、ポケット工具などでは破壊されにくい

自転車の鍵の種類

△→●の順に防犯性に強い

鍵の形状としては、以下のような種類があります。強度を「△→○→◎→●」という順で示しました(「●」がもっとも強固)。ただし、同じマークでも各商品によって強度の違いはあります。

名称 強度 特徴
プレスキー ・以前から一般的であった前鍵に差し込んで開けるタイプ・強度としては最も弱い
シリンダーキー ・キーを差した後に回して開けるタイプ・プレスキーに比べて防犯性は高い
ラウンドキー 〇? ・差し込み口が丸形でイタズラされにくい・以前はピッキングに強かったが、最近開錠の方法が広まっている
ディンプルキー ・シリンダーキーに比べて構造が高度・表面にくぼみを付けているので、ピッキングに強い
ウェーブキー ・自動車などで採用されているタイプ・ピッキングに強い

より防犯に強い鍵・錠前

錠前の強度は、「ワイヤー」「チェーン」に比べて、「すべて鉄」でできている「U字ロック」が、一番強度が高いです。ワイヤー・チェーンは「ボトルクリッパー」で破壊することができますが、すべて鉄なら電ノコが必要になりますので、町中で自転車泥棒するのに電ノコを使うのはリスクが高いでしょう。

鍵と併せて言うなら、「シリンダーキー以上を使用する馬蹄錠」をまずは使用し、さらに「ワイヤー・チェーンロック以上」の錠前をもう一つつけるとより防犯性は高くなります。鍵を2つ以上つけることによって、解錠するのに時間を要するため、盗難にあいにくいということになります。家の防犯と同じで、泥棒に解錠する時間をかけさせる、というのが一つのポイントになります。

自転車盗難を防ぐポイント

自転車全般に有効なポイント

まず、前述したように、2つ以上の鍵・錠前をつけましょう。自転車付属の錠のほかに、種類の違う鍵を組み合わせて使用します。自転車付属で馬蹄錠が付いているなら、その上にU字ロックとワイヤーロックなどで補強します。U字ロックで後輪とフレームをつなぎ、前輪とフレームを端が輪になったワイヤーを利用してU字ロックとつなぐと、簡単にフレームや車輪が外せるタイプの自転車であっても、パーツだけを盗んでいくのも難しくなると思われます。

いわゆる「地球ロック」と呼ばれる、駐輪場の構造物など、地面に固定されているものにロックすることで、錠前をつけたまま持ち去られることを防ぎます。ただし、路上のどんな建造物でも、地面に固定できるものであればいいと思っている方もいますが、路上に停めて、金網フェンスなどに無断でつなぐことはしてはいけません。

自転車の種類別、鍵の選び方、盗難防止のポイント

次に自転車の種類別に、ポイントをまとめました。

ロードバイク

特性 ・高価ゆえ狙われやすい。長時間駐輪されることは少ないタイプだが、小休止の時、食糧補給に店などに一瞬立ち寄る短時間に狙われる。・重量のある鍵は携行できないので、長時間の駐輪は避け
鍵の選び方・鍵のかけ方 ・コンパクトでも強度が強いもの。ロード用なので、持ち運べて(重量が軽くコンンパクト)頑丈なもの。ダイヤル式のものなども併用。・チョイノリ防止には走れないようにホイールとフレームを連結する・前輪ならブレーキアーチに絡ませる。後輪ならブレーキブリッジにまたがせる小さな鍵であれば、ブレーキレバーをひいた状態でバーロックをロックのつなぎ目にかませ、かけ

・クランク(ペダル)に絡ませると確実に乗れなくない

・長さのあるワイヤーであればフレームに回しからめる

・サドル泥棒対策にはサドルとフレームをロックする

クロスバイク・ストリートバイク

特性 高価ゆえ、盗難被害率が高いタイプ
鍵の選び方・鍵のかけ方 ・盗難確立が高いので、強固な鍵を選び、地球ロックが必要・ホイルの盗難の可能性があるので、長めのチェーンロック、Uロックが有効・「自転車の機能を殺すようにー走ることができない」「ホイールの盗難を防ぐ」「地球ロック」1.長めのチェーンで、ホイールと錠を使う

2.Uロック(大きさは自転車や持ち歩きバッグに合わせて選ぶ)

ミニベロ・コンパクトサイクル

特性 車体が軽いので、鍵のついた自転車ごと盗まれる可能性あり
鍵の選び方・鍵のかけ方 ・地球ロックを最優先する・自転車の機能を一か所使えないようにしておくのも有効・補助的にチェーンロックを使う場合は、すぐに乗れないようにハンドルを折りたたんだ状態にクランクと一緒につなぐ

電動アシスト・ママチャリ

特性 拝借泥棒にあいやすい自転車
鍵の選び方・鍵のかけ方 ・簡単に拝借する気をなくさせるような頑丈な鍵を選ぶ・元々ついている馬蹄錠などにプラスして、2個3個錠前をつける・頑強な材質の多関節ロックが有効

鍵の強度以外の盗難防止ポイント・まとめ

自転車の盗難を防ぐ基本中の基本は、「どんな時でも鍵をかけること」です。無施錠車がなんといっても一番被害にあいます。それでも盗難にあった時のために盗難保険に入っていたとしても、鍵をかけずに盗難に遭った場合は保証外になりますので、その点も肝に命じましょう。

鍵についても、頑強な鍵を2個以上つけるのをおすすめします。家への侵入と同じで、泥棒は犯行を起こすまでに時間がかかることは避けます。安い鍵ほどにワイヤーカッターなどで簡単に切れます。より時間のかかるであろう頑強なものを選ぶのが大切です。

もともとついている錠前にプラスアルファする鍵のかけ方も重要です。「地球ロックをする」「ホイールだけにワイヤーやチェーンロックをするのではなく、本体にからめる」「できるものであればハンドルを折り曲げたり、クランクにからめる」「重い工具を下で使えなくするために、地面より離れた高い位置につける、切断工具を差し入れる隙間がないように、錠前に本体との隙間を作らないようにつける」などといった工夫が防犯性をグンと高めます。

駐輪する場所を考慮しましょう。人目につきやすい、人通りの多い場所が適しています。駐輪ラックが2段式であれば、作業したりロックがかかったものを下ろしにくい上部に駐輪するなども効果があります。

防犯に配慮した整備されている駐車場・駐輪場を利用するようにしましょう。安易に関係のない人が出入りできない構造になっていたり、照明設備で明るさと見通しが確保されていところなどです。管理人が常駐している、または防犯カメラが設置されているなどがの環境がよいでしょう。

鍵の強度だけでなく、こういった工夫も見直し、大切な自転車が盗難に遭わないように気をつけましょう。

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