蜂の巣を発見した場合の正しい対処法

キイロスズメバチ・コガタスズメバチの巣を中心に、都市部でも大型の蜂の巣が発見されるケースが増加しています。これらの蜂は都市部への適応能力が高く、民家の屋根裏・軒下に巣をつくる例が多くみられます。これら以外の蜂も民家やその近くに巣をつくる場合はあります。

もし、自宅や近隣で蜂の巣を見つけてしまったらどうすればいいでしょうか。対処法について解説していきます。

大原則は「近づかない」

蜂の巣を見つけた場合、まず気をつけるべきは不用意に近付かないということです。きちんとした知識と、充分な装備がない状態で接近するのは大変危険です。凶暴性の高いスズメバチでもこちらから手を出さなければわざわざ刺してくることはありません。

蜂が身体のまわりを飛び回ったり、かちかちと顎を鳴らして威嚇してくる場合は、距離が近すぎます。その場を離れるようにしましょう。そこに留まらず、蜂を刺激しないよう静かに後ずさるように離れていけば、蜂が攻撃してくることはありません。大きな声を出す、蜂を払うために激しく手を動かす、怖いからといって走って逃げだす、といった行動は蜂を刺激してしまうおそれがあるので、落ち着いてゆっくり行動しましょう。

可能なら遠くから観察し、蜂の種類などを調べる

充分に距離をとりながら、可能であれば蜂の巣を観察しましょう。以下のようなことがわかっていれば対処の参考となります。

  • ・蜂の巣がある場所
  • ・大きさ
  • ・周囲を飛んでいる蜂の種類

蜂の種類については、こちらの記事を参考にしてください。 また、蜂の巣の形状そのものからも、蜂の種類を推測することができます。以下に、蜂の種類別の蜂の巣の特徴をまとめました。

蜂の種類 巣の特徴
スズメバチ 球状で、表面は貝殻のような模様があります。出入り口は一箇所しかありません。出入り口の部分には見張りの蜂がいて外からの侵入者に警戒しているのがわかります。大きさはできた時期により、放置すると徐々に大きくなってゆくのが特徴です。
アシナガバチ 六角形の巣房が多数寄り集まったような形で、スズメバチの巣のような外皮がなくむき出しになっています。一般にスズメバチの巣よりは小さめであることが多いです。
ミツバチ ミツバチの巣は、巣盤の層が並行に重なった状態で並んでいるような形になり、やはり外皮はなくむき出しです。

蜂の巣はあるけど、蜂の姿がまったく見当たらないことがあります。すでに蜂が巣立ってしまった後の「空の巣」です。空の巣であれば、放置しても問題ありません。ただし、本当に空かどうかわかりませんので、不用意に突いたりするのは絶対に避けてください。空の巣かどうかは、定期的に観察して蜂がいるかどうかで判断します。

巣がある場所別・最初の連絡先

蜂の巣があることが確認できたら、しかるべき対応をとる必要があります。このとき、その蜂の巣があるのがどこであるかがポイントになってきます。

というのも、蜂の巣ができたことで発生する危険性については、原則として、蜂の巣がある土地の所有者に責任があります。蜂が勝手に巣をつくることに対して責任を負わなくてはならないのは理不尽に感じるかもしれませんが、法律上は土地・建物の管理責任の範囲だと考えられるのが一般的です。

そのため自分の土地内に蜂の巣ができ、放置しておいたために、通行人などが蜂に刺されて被害を負った場合、その責任を問われる可能性もあります。とはいえ飼育しているわけではないので、ペットの犬が噛みついてしまったケースなどとは同等には語れず、損害賠償などが認められるかどうかはケースによるでしょう。それでも、訴訟になる可能性はあります。

いずれにせよ住人自身にとっても危険ですから、自宅の敷地内・自分が所有する土地内に蜂の巣ができた場合は、なんらかの対応をすることになります。自分の土地でない場所については、それぞれの持ち主・管理者に伝えるというのがまず行うべき対処と言えます。

巣を見つけた場所 対応・連絡先
自宅・自分の土地内 自分で対応。駆除業者に連絡する、自力で駆除する等。自力での駆除を試みる場合はこちらのページも参考にしてください。
賃貸の住まい 共用部分であれば、管理会社に対応してもらうのが一般的。占有部分に出来てしまった巣の駆除は、入居者負担になってしまうこともありますが、管理会社・オーナーと交渉の余地はあります。
公共の場 公園など、公共の場にあった場合は、地域の役所などに知らせるようにしてください。ただし、喫緊の危険性がないと判断されれば、必ずしも対処はされない場合があります。
その他の場所(住宅・店舗など) 持ち主や管理の方に伝えてください。基本的には先方の責任で対処をしてもらうことになります。

蜂の巣は、最初は小さくても、どんどん大きくなっていきます。駆除業者に依頼する場合、巣のサイズが大きいほど費用もかかる傾向がありますので、巣を見つけたらできるだけ早く対処をするのがいいでしょう。

対処法は役所に相談

公共の場にできた蜂の巣に限らず、蜂の巣の駆除は役所に依頼すればいいのではと考えている人は多いようです。しかし、述べたように、蜂の巣の駆除は原則として土地・建物の管理者の責任と考えられます。そのため、自宅にできた蜂の巣について連絡しても、役所が駆除をしてくれることはありません。自力で対処する方法もありますが、やはり危険なので、できれば専門の業者に依頼されるのをオススメします。

相談できる近くの駆除業者を探す

しかし、地域によっては、駆除の対応をしているところもあります。たとえば東京都葛飾区では危険度の高いスズメバチに限って、役所およびその委託業者による駆除を引き受けています。一度、地域の役所に相談してみましょう。

駆除を引き受けてもらえない地域でも、

  • ・駆除業者の紹介
  • ・自力で駆除する場合の道具類貸し出し
  • ・駆除業者を利用した場合の費用の補助
  • ・対応に関するアドバイス

といったことはしてもらえる場合が多いです。ですので、一度は役所に連絡されることをおすすめします。担当課は地域によって異なり、消防署が受け付けていることもあります。

蜂の巣が再発したり、蜂が戻ってきた場合は?

巣が駆除された後も、一週間程度は、巣があった場所で蜂の姿が見られることがあります。

これは「戻り蜂」と呼ばれ、巣が駆除されたときに外に出かけていた蜂が戻ってきたものです。巣がないことがわかるとどこかへ行ってしまいますので気にする必要はありませんが、念のため、巣のあった場所に近づくときは蜂がいないか注意してください。

ときおり新しい巣が同じ場所にできてしまうことがあります。これは特にアシナガバチに見られる性質として、女王蜂を失っても、生き残りの働き蜂が巣の再建を試みるケースがあるのです。また、まったく別の群れがたまたま同じ場所に巣をつくることもあります。その場所が、蜂にとって巣をつくりやすい場所だということなのでしょう。

こうした「蜂の巣の再発」については、駆除後にその場所に殺虫剤などを使用しておくことで、ある程度予防することが可能です。

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