専門業者に聞いた、防犯性の高い鍵とその選び方
昨今の防犯対策の一環として、防犯性能が高い鍵に交換する人が増えてきています。一口に「防犯性能が高い鍵」と言っても、その種類や費用は様々です。どのような鍵が防犯性に優れているのか、その鍵がどんな性能なのかを知らない人がほとんだと思います。そこで、鍵のスペシャリストである専門業者の方に、どのような鍵を選べばよいのかを実際に聞いてきました!
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防犯性能が高い鍵と低い鍵の違いは?
まず、防犯性に優れている鍵と防犯性の低い鍵とでは、何がどのように違うのでしょうか。防犯性に優れた鍵とそうでない鍵の特徴を比較して表にまとめました。
場所 | 防犯性の高いもの | 防犯性の低いもの |
玄関 | ・ワンドア・ツーロック ・ディンプルキーや指紋認証型など鍵の作りが複雑な構造のもの ・内側の鍵自体に鍵が付いている |
・ワンドア・ワンロック ・ピンシリンダー等シンプルなもの ・劣化している |
窓 | ・サムターン錠にロック機能がある ・鍵が2つ以上付いている |
・通常のサムターン錠 ・鍵が1つのみ |
勝手口 | ・ワンドア・ツートック ・ディンプルキーや指紋認証型など鍵の作りが複雑な構造のもの ・内側の鍵に鍵が付いている |
・ワンドア・ワンロック ・ピンシリンダーやサムターン錠 ・簡易的なタイプ |
防犯性に優れているものは鍵の構造が複雑なもの、鍵自体にロック機能があるものなどがあげられます。また、一つのドアや窓に対して鍵が複数設置されているものが防犯性に優れていると言えます。対して、防犯性の低い鍵は鍵の構造が一昔前のシンプルなタイプであったり、鍵や鍵穴自体が劣化して傷んでいたりなどがあげられます。
では、具体的に鍵の種類を見ていきましょう。
防犯性能が高い鍵の特徴と料金
ここでは鍵業者のスタッフに教えてもらった防犯性の高い鍵を、スペックごとに表にしてみました。エンドユーザー向けの鍵のカタログなどはあまり普及していないので、どんな鍵があるのかを知っておくだけでも交換の目安になります。下記表の中でも、現在普及率の高い鍵や、優れた特性を持つ専門業者おススメの鍵については、詳細を別ページで紹介します。
商品名 | 特徴 | 料金(鍵) |
カバスターNEO | 07年に発売されたカバスター最新のシリンダー。最高水準の次世代型ディンプルキーシリンダー | 2~3万円 |
カバエース | コストパフォーマンスを追求したディンプルキーシリンダー。スペアキーの作成が楽 | 1万1,000円~ |
V-18 | ドリル破壊に強い。一般の鍵屋やホームセンターで複製が可能。リバーシブルではないため高齢者には使いにくい | 1万8,000円~ |
FBロック | 世界最高クラスの防犯性能を持つ。防犯対策には非常に優れているが、合鍵を作製するにはカード番号の照合が必要 | 2万5,000円~ |
PRシリンダー | 数あるディンプルキーの中で唯一ディスクタンブラーを採用している | 1万1,000円~ |
JNシリンダー | 対テロリズム製品を多数手掛けているイスラエルのメーカー商品。ピッキングが流行った時期に普及した | 1万1,000円~ |
MULTI-T-LOOKJ | アンチピッキングピンの採用や複雑なキーウェイにより、ピッキングやインプレッションなどの不正開錠はほぼ不可能 | 2万4,000円~ |
GRAND-V | 高い防犯性を持ちつつも複製もしやすいディンプルキー。使い勝手がよく、普及している。01年度のグッドデザイン賞受賞商品 | 2万4,000円~ |
リプレイス917 | バンピング対策された改良型シリンダー。使い勝手がよく、普及している。ピッキングに強く、操作性、耐久性に優れたディンプルキー | 1万8,000円~ |
U9シリンダー | バンピング対策された改良型シリンダー。使い勝手がよく、普及している。ピッキングに強く、操作性、耐久性に優れたディンプルキー | 1万円前後 |
NEW-Xキー | 高精度、特殊ピン使用のリバーシブルディンプルキー。合鍵の複製は困難 | 1万8,000円~ |
デジスクロック・プロ | フィンランド製のシリンダー。合鍵の複製は総輸入代理店の共栄工業のみ | 3万6,000円~ |
どうせ交換するなら、確実に防犯性の高い鍵がよい
上記の表を踏まえたうえで、実際に防犯性の高い鍵を選ぶポイントを鍵の専門業者の方に教えてもらいました。「現在、各シリンダーメーカーや錠前メーカーから発売されているものは比較的防犯性の高い鍵がスタンダードになっています。ですが、築年数の長いマンションや住宅などは防犯性の低い鍵を使っているところも多く見かけられます。この鍵を現在販売されているタイプにするだけでも防犯性はあがると言えます。また、鍵は毎日使用するので劣化します。鍵の寿命はおよそ10年なので、長期的に使用している場合なども鍵を交換する時期と言えるでしょう。そしてどうせ交換をするなら、少しでも安全性の高い鍵に換えることをおススメします」。
空き巣や泥棒の手口が巧妙になっていることもありますが、どうせ取り換えるのであれば、鍵は防犯性の高いものを選んだ方がより確実で安心です。また、一か所のみを変えるのではなく、交換するときは家周りの鍵を合わせて変えてしまった方が効率的とも言えます。
まとめ
鍵を交換する際は下記のポイントを念頭に置いて実施しましょう。
・自宅の鍵は防犯性に優れているかどうかを確認する
・交換するなら住居にあった防犯性の高い鍵に交換する
・長期的に使用している鍵は、交換した方がよい
・どの鍵を選んでいいのかわからない場合は業者に相談する
交換の際は防犯性の高い鍵を選び、住居や建物に合わせてそれぞれ換えるようにしましょう。そして長期的に使用している、少しでも不具合や違和感を感じるのであれば、迷わず交換した方がよいと言えます。鍵交換の際にシリンダーを交換するのか、錠前ごと交換するのかなど、具体的なアドバイスがほしい場合は鍵業者に相談、見積もりをとってみるとよいでしょう。
取材協力:株式会社ミライアン
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