ストーカー対策などにも効果的。防犯カメラの効果とその選び方

防犯カメラと言えば、以前は警備が厳重な公的機関に設置されているイメージでしたが、最近は商店街やコンビニ、マンションなどでの設置も当たり前になっています。最近の事件でも防犯カメラ映像から犯人の早期検挙につながったケースをよく耳にします。全体に価格も手頃になってきたことや、インターネットを利用して簡単に設置できるものがあるなど、一般家庭への設置も増えてきています。特にセンサーライトと併用設置が多いようです。

マンションの場合は共用の入り口、エレベーター、駐車場などに防犯カメラが設置されているところが多くあります。警備会社24時間体制で防犯カメラを監視しているところならなお安心ですが、防犯カメラ自身が設置されていないマンションもあります。家族以外の他人が多く出入りするマンションですから、費用の問題もありますが、生活の安心安全のためにも住民で話し合い、管理組合や管理会社などに設置するように要望することも検討してみましょう。

今回は個人で設置の判断のできる一戸建て住宅に設置する場合についてみていきましょう。

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防犯カメラの効果

一般家庭で防犯カメラを設置する効果は以下のような点があげられます。

・泥棒・空き巣の抑止と犯行後の証拠になる
・車へのいたずら防止
・外壁への落書き防止
・覗き、盗聴の防止
・ストーカー被害の防止
・近隣トラブルへの対処

泥棒空き巣被害の防犯、証拠となる効果を思い浮かべますが、それ以外のいたずら、嫌がらせ、近年多いストーカーや近隣トラブルなどへの効果も発揮しています。

防犯カメラのしくみと分類

基本的なしくみは1台のカメラで捉えた映像をケーブルでつなげた記録装置に記録すると同時にモニターで監視するものです。種類としては、形状によって分けるなら大きく3タイプあり、性能などから分類することもできます。

カメラの形状による分類

カメラの種類 特徴 適した設置場所
 箱型防犯カメラ 箱形 ・いかにも防犯カメラ然としている形状が威圧効果になる・レンズが一方向で死角ができ、そこが狙われやすいので、複数台取り付けることも必要になる 設置しやすい所(取り付けしにくい場所であれば、付加費用がかかる)屋外でも設置できるが、ハウジング(防水・風塵防止のケース)などの仕様が必要
ドーム型防犯カメラ カプセル型(ドーム型) ・ドーム型のケースの中に小型カメラが入っている・箱形のような威圧感はない・レンズがどこを向いているか見えないところがメリット・レンズ交換できないものもある  室内
ハウジング型防犯カメラ ハウジング一体型 ・塵、ホコリをよける・防水、暴風のための「ハウジング」というケースを付けている 屋外、玄関

カメラの種類による分類

カメラの種類 特徴
カラーカメラ カラーの映像を映す。夜間灯りのないところでは映像は映らない
白黒カメラ 白黒の映像を映す。夜間灯りのないところでは映像は映らない
暗視カメラ 白黒の映像を映す。灯りのほとんどないところでも白黒の映像を映すことができる
デイナイトカメラ 周囲が明るいときはカラーで、周囲が黒くなると白黒映像に切り替わり映し出す昼夜問わず、映像を映す
センサー付カメラ センサーの信号でコントローラーから警報を鳴らすことができる門や入口に設置

カメラの性能による分類

カメラの性能 特徴
標準型 室内照明により屋内の状況を観察することができる
高感度型 屋外などのように広範囲に明るさが変化するところや、かなり暗いところでも周囲の状況を観察することができるなお、このほかにも蓄積型などがある
高解像度 画像の一部を拡大しても鮮明な映像が得られる
近赤外線 人間の目には見えない近赤外線を感知するので、赤外線装置と併用して周囲の状況を観察することができるなお、この他にも暗視型などがある
デジタル型 一般に高感度、高解像度でまぶしいところでも逆行補正によって鮮明に観察することができる 

防犯カメラの特性と設置の目的

防犯カメラの特性として、簡単に買い替えるものではなく長く使用するものですが、いざという時に作動しなければ意味がなく、その時がいつ来るのか予測がつかない製品です。特性上、ただ安価なものを数つければよいというものではなく、目的と用途を確認した上で、適正なものを設置しましょう。

では、どういう目的で設置しようとしているのか再確認してみましょう。

 

目的 設置場所 効果 必要機器
来訪者の確認 玄関、門扉 来訪者の確認ができて安心 ・カメラ付ドアホン・ハウジング一体式課メラ
侵入者や不審者の確認 玄関前、勝手口、駐車場、庭、ベランダ、窓際 夜間、玄関などで不審者がきた場合などに安心  ・カメラ付ドアホン・センサー付きカメラ・デイナイトカメラ・センサー付暗視カメラ
留守宅の安全確保もしもの犯罪の記録 玄関前、勝手口、駐車場、庭、ベランダ、窓際 録画装置併用すると、留守中の訪問者を知ることができる。空き巣など留守宅での犯罪の早期解決に役立つ ・ハードディスクレコーダーなど録画機器
子ども・病人の確認 室内 子どもや病人の様子などを見守ることができる ・ドーム型カメラ
別荘への不審者の侵入の監視 別荘の玄関、窓際、室内など センサーを使用することで遠く離れた場所に異変が起こった時のみ、監視・録画できる ・ネットワークカメラ(インターネットを利用)・伝送機

カメラの設置が効果的な場所は?

以下は、一戸建て住宅で、外部から侵入されやすい箇所です。防犯カメラを設置するなら、以下のような箇所を写せる場所に設置するのがいいでしょう。

・一辺または直径が200mm以上の窓やベランダ、換気口、玄関、勝手口、などの開口部
・地表または足場となるところからの距離(開口部までの下端までの距離)が1.8m未満の開口部(1階の出窓など)
・木や電柱といった、外構設備との水平距離が1.8m未満のもの(2階の窓やベランダなど)

防犯カメラの製品選びのポイント

カメラの設置目的、設置場所が決まれば、どのような製品を選べばよいか、見当がついてきます。以下のような点に注意してください。

1 目的にあった画素数のカメラを選ぶ

レコーダーの性能をカメラの性能に合わせなければ意味がありません。

2 ピントを変動できるレンズ搭載のカメラを選ぶ

防犯目的で撮影するためには最適なピント合わせが必要です。通販などで販売されている安価なカメラの中には、低画素、固定レンズのものも多いので注意しましょう。

3 取り付け場所の状況に合った製品を選ぶ(白黒orカラー、暗視機能、遠隔操作)

暗いところを映すのであれば、赤外線付の防犯カメラ。室内で逆光になる所には逆光に強いカメラ。塵他防水防風にはハウジング一体式カメラなどが適しています。犯罪の特定などにはカラーが絶対的に役立つがコスト面を考えると、メインをカラー、サブを白黒、などと考慮してもいいでしょう。購入時の映り方と取り付け後の映り方が異なる場合が多いので、契約前に実際の取りつけ位置に設置してもらい、映り方を確認しましょう。

4 目的に合わせて、モニターのみか録画のみ必要かを考える

家庭用の場合、「監視カメラ」として設置としている場合が多いので、モニターに映すだけ、という設定、製品もあります。万が一のことを考えれば、録画機能があるにこしたことはないですが、24時間記録するとなれば記憶媒体にも長時間録画できる容量が必要になり、その分コストも上がります。常時作動していると記録装置自身の消耗も早いと言えるでしょう。実際24時間の録画が必要かというと、一般家庭の場合そうではなく、人感センサーが働いて、感知した時のみ記録する、という機能があるもので十分でしょう。

防犯カメラシステムの設置方法と参考価格

一番安価なものでは、自分で設置する無線LANネットワークカメラを利用したものから、通販、ホームセンターで購入できるものから、一般的なセキュリティ会社に依頼するものまで、幅広く設置の方法があります。

内容 モニター・記録 購入場所 価格 設置に適した用途
無線LAN対応ネットワークカメラ(防水機能なし) カメラと無線LANルーターを接続カメラを設置 PC、スマホ、タブレットハードディスクに保存可 通販など 5,000円~ 気になる窓周辺子ども、ペットの様子の監視など(室内)
屋外対応カメラ(防水機能あり)
屋外対応カメラ(防水機能あり)
カメラ本体ケーブルセット(赤外線投光器の照射距離が長いほど高価) 家庭用テレビHDは別売り  通販、ホームセンター 1万円程度~モニターテレビ、HD合わせて10万円前後 玄関まわり駐車場、勝手口門扉、外壁まわりの監視など(屋外から屋内へのコードはエアコンのパイプ穴を利用)
ホームセキュリティ会社に依頼(S社) センサーライトカメラ(駐車場)+スポットライトカメラ(玄関)+ホームモニター(チャイム音、レコーダー機能あり)+評純工事費カメラ1台とモニター1台、録画装置、標準工事費オプションで会社に通報がいくシステムもある ホームセキュリティ会社 ・ハードディスクレコーダーなど録画機器 例)265,700 駐車場玄関
格安業者(A社) 赤外線カメラ(国内メーカー52万画素)+レコーダー+設置工事費 インターネット ・ネットワークカメラ(インターネットを利用)・伝送機 例)125,000カメラ一台追加38,000円=163,000 玄関(追加で駐車場等)

防犯システム設置の注意点 業者に依頼する場合

カメラの設置を業者に依頼する場合、下記のような点に注意してください。

  1. 自社の組織に関して明確に記載しているかどうか。(設立年月日なども確認ポイント)
  2. 取扱っている商品のメーカー名を明記しているかどうか
  3. 取扱いカメラ・システム機器の性能に信頼がおけるか。(国内の防犯カメラメーカーであるか。メーカー自身の信頼性。製品の保守メンテナンス体制)
  4. 設置場所の最寄りにその会社の支店・営業所・販売会社などの住所が記載されているか
  5. 防犯の専門業者であるかどうか(防犯知識を有しているかどうか)
  6. 防犯設備士、総合防犯設備士といった公的な資格を有しているかどうか
  7. 防犯の専門施工業者であるかどうか。技術力を持っているか。

インターネットで業者を選ぶ場合に「全国ネットワーク」とホームページ上で記載していても単に下請け工事会社を持っているだけ、といったこともあるので、全国の営業所やネットワーク先の住所・社名などを表記している明快な会社であるかどうか確認しましょう。
特性で記したように、防犯カメラは設置してから5年から10数年使用するものなので、保守サービスが使用中も継続される信頼のおける業者を選びましょう。

防犯カメラシステムを設置しても誤報が多い、という声も聞かれます。誤報が続くと「オオカミ少年」のお話のように「またか…」いうことになって、実際の防犯には全く役に立たないことになってしまいます。

これは、施工や調整方法に問題があることが多くあります。適切な施工ができる業者でなければ設置しても意味がありません。その意味で知識や技術力が必要になります。

防犯カメラもただ付ければいい、というものではありません。建物や環境によって侵入経路が想定され、これらを適切に判断して防犯カメラを設置することが重要です。
・侵入経路
・画像のレベルがどのくらいを希望しているのか
・使用する時間帯の照度はどの程度なのか。昼、夜を想定して最適なレンズはどれか
これらのことを適切にアドバイスができる業者であるべきです。

防犯カメラシステム設置のまとめ

防犯カメラは犯罪後の確認、証拠などの効果の印象が強いですが、設置する側としては、防犯効果を期待したいところです。その意味でも、監視されている、証拠を記録している、ということをアピールするために「防犯カメラ」のステッカーを貼り、防犯カメラをアピールしましょう。

併せて、センサーによって警報を鳴らして威嚇したり、携帯電話に通報ができるシステムを導入すれば、同時にカメラとレコーダーで証拠を残すことになり、犯人特定につながるでしょう。

最後に、防犯カメラは自分の敷地内ならどこでも設置できるわけではなく、防犯カメラに記録された映像は「個人情報」に該当するので、個人情報の不適正な取得の禁止(法17条)の義務が課せられていることに注意しましょう。他人の住宅内部が映らないように角度を調整し、近隣へも防犯カメラが設置されていることをステッカーなどで周知するようにしましょう。

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