空き巣・泥棒の被害を受けやすい家の特徴とその防犯対策

空き巣・泥棒は心理面を突いてくる

空き巣の侵入手口で最も多いのは、「無締まり(無施錠)」「ガラス破り」です。この2つの侵入手口による被害が、全体の約8割を占めていて、一般にイメージされるような、いわいる「ピッキング」は全体の1割弱となっています。

このように、防犯に関しては、通常、犯罪とは無縁に暮らしていると、気づきにくい盲点にまで気を配る必要があります。

マンションの中・高層階では、「無施錠」による被害が多くなりますが、これも「戸数があるから大丈夫」「高層階だからわざわざ空き巣に入られないだろう」などといった油断から無施錠で出かけてしまう人が多いことが背景にあります。

空き巣はそんな油断をついて、屋上からロープを伝って降りてきたり、ベランダづたいに移動したりして、開け放しの窓や玄関から堂々と侵入します。多くの人が出入りするので、住人を装えば怪しまれないのも盲点です。頭と肩さえ入れば、小さな窓からでも簡単に侵入できてしまいます。

「近所のコンビニまでちょっと買い物」という程度であっても、ドアも窓も、家じゅうの鍵を施錠しましょう。空き巣の滞在時間は長くて10分。「ほんの数分だから」という甘えが、被害につながってしまいます。

防犯対策として、補助錠の使用やさまざまな防犯グッズを活用するのは良い方法ですが、それと並行して、ライフスタイルの面からも防犯意識を高めていくのが大切です。

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空き巣に狙われやすい家とは?

空き巣は普段の何気ない日常で、ターゲットにする家を決めています。犬の散歩をするふりをして近所を下見したり、公園で休憩するふりをしながら留守の家の様子を伺ったりしているのです。コンビニやファミレスなどの駐車場から見えやすい家なども注意が必要です。

空き巣が目を付けやすい家の特徴として、下記があげられます。

1 路線沿いに建つ家
2 観光名所が付近にある家
3 新興住宅地
4 二世帯住宅

それぞれの特徴についてみていきましょう。

1 路線沿いに建つ家

ガラス破りや無理に玄関をバールなどでこじ開ける手口は必ず音が出ます。犯行時の破壊音を電車の通過音で紛らわせたり、物色時も音を気にしなくてよいからです。また、駅に近い家になると、犯行後すぐに電車に乗って何食わぬ顔で逃げやすいメリットがあるようです。

2 観光名所が付近にある家

不特定多数の人間が集まる場所は、住人が不審者や不審車両に無頓着になりやすいです。日々、見知らぬ人が行きかうのでいちいち気にしないからです。空き巣は観光に来たフリをして侵入しやすそうな家を物色し、人ごみに紛れて犯行、逃走します。

明らかに変だな、と思っていて声をかけたとしても、観光地への行き方を訪ねたり、道に迷ったフリをすればやり過ごせるからです。

3 新興住宅地

新興住宅地は共働き夫婦や子供が学生という割合が多く、日中留守になりがちな家が多いという理由で狙われやすいです。新しくできた住宅地は、その一角が袋小路になっていたり、近所付き合いも浅いことから目を付けられます。また、住宅購入ということで、財産管理もきちんと行われているイメージが強いようです。

4 二世帯住宅

家族が家の中に増える安心化が防犯対策を手薄にしてしまうパターンです。家の中に誰かがいるからと、施錠や物音に無頓着になってしまうことから意外と狙われやすいようです。二世帯用にリフォームなどをした家はなおのこと、居住スペース以外の空間をおざなりにしがちです。各階ごとに窓や鍵が分かれていたり、部屋数が多いため、隠れやすい事も空き巣にとっては好都合です。

このように、空き巣に狙われやすい家には空き巣にとって都合のよい環境、理由が必ず見受けられます。では、どのようにして各家に合った空き巣の対策を行うのか、具体的に次項で見ていきましょう。

大原則として「入りにくい家」という印象を持たせる

プロの泥棒はほぼ必ず下見をして、後日、犯行に及びます。下見の時点で「この家は入りやすい」「防犯が手薄」と思われないことが重要になってきます。補助錠や防犯カメラの設置はもちろんですが、それ以外にも、生活習慣から見直せる防犯対策がいくつもあります。

例えば庭に雑草が生い茂っていたり、指定された日以外にゴミを出していたり、駐車場に停めた車の車内が散らかっていたりすると、「近所付き合いがなく、人目を気にしていない家=犯行しやすい」と受け止められてしまいます。

お年寄りに多く見られますが、郵便受けや植木鉢の下などに鍵を置かないようにしましょう。郵便受けをまさぐって鍵を取り出しているところを、下見している空き巣に見られてしまうこともあるからです。高齢者がいる家など、自宅の敷地に鍵を置く習慣がある家は少なくないと思います。速やかに中止しましょう。

そして、年末年始やゴールデンウィークなど、世間が長期休みになる時期は、空き巣にとってはかきいれどきです。新聞がポストにたまっているのは、留守を公言しているようなもの。販売店に連絡し、家を長期間空けるときには新聞を止めておくのも手です。

大きなポリバケツや金ダライ、エアコンの室外機などは、空き巣の足場になってしまうことがあります。足場になりそうなものを庭に置かない配慮も必要です。

「光」「音」「人の目」を意識した防犯対策を心がける

誰にも気付かれず、こっそりと忍び込みたい空き巣が嫌うのは、光、音、人の目の3つです。これらを組み合わせて防犯対策を充実させましょう。

光を使った対策

まずは「光」。家の前に街灯や人通りが少なければ、玄関前や庭などにセンサーライトを付けるのが得策です。夜、一定の範囲に近づくとライトが付くため、犯行を諦める空き巣もいます。ガレージや風呂場付近など、家の裏手になるような場所にも取り付けるとよいでしょう。

また、玄関の外の電気だけ夜中はつけっぱなしにしておいたり、未使用の部屋の電気を豆電気にしておくなど暗闇にさせない工夫も効果的です。

音を使った対策

「音」も重要な要素です。ドアや窓が開くとチャイム音などで教えてくれる防犯センサーを取り付けるのが得策です。一戸建てなら、敷地内を歩くと砂利が擦れあって大きな音がする防犯用玉砂利を玄関や庭などに敷くのもいいでしょう。

勝手口や2階の窓、ベランダなど、人目が付きにくい所には、大きめの音が鳴るように防犯センサーを設定しておいたり、防犯アラームなどを付けておくことが重要です。普段使いするような場所にも、大きな音の鳴る鈴など、人の出入りが分かるようにしましょう。

人の目を使った対策

「人の目」は空き巣が一番嫌うものです。人に見られては元も子もないので、空き巣は人目につかない家や敷地を好みます。

例えば、高い塀や植え込みのある一戸建ては、人の目が届かず、泥棒にとっては格好の獲物です。勘違いされている人も多いですが、塀を高くしたり敷地を植え込みなどで囲むことは、決して防犯対策ではありません。むしろ外からの視線を防ぎ、植え込みなどで姿を隠すことができるからです。

塀よりも見通しのよいフェンスを選ぶのも有効ですが、すでに塀がある家の場合や、植え込みが伸び放題になっている場合は、短く刈り込むなどして死角をなくしましょう。

また、普段から近所づきあいがあるとよいでしょう。あいさつや声掛けを率先し、地域の絆で町を守りましょう。

女性・高齢者は特に注意が必要

女性の一人暮らしにおける防犯対策

最近では女性の一人暮らし専用のマンションやアパートなども増えてきました。オートロックやワンドアツーロックなどの防犯対策もしっかり行われている住まいも見かけられます。

しかし、女性の一人暮らしはやはり空き巣の対象になりやすく、被害届も多く提出されています。宅配便などを装って下見にくる空き巣は、呼び鈴を鳴らして玄関口まで確認するという周到さです。女性が一人暮らしをする際には、防犯対策の設備が整った住居を選ぶことをおススメします。

玄関、窓には補助錠やチェーンはもちろん、防犯アラーム、防犯ブザーも設置しておくとよいでしょう。自分でできる防犯対策としては、洗濯物を外に干す時に男性用の衣服も一緒に干す、玄関先に男性物の靴を置いておく、友人を呼ぶ、など、自分以外の人の出入り(特に男性)がある事をアピールすることが有効です。

以外に盲点なのが、カーテンです。カーテンは外から見てもどのような柄や色かがわかりやすく、可愛らしすぎるカーテンは女性の住まいを連想されるので避けた方が無難です。

そして、自分の住んでいるフロアの人とはなるべく顔を合わせておく、マンションですれ違う人には挨拶をするなどして近所付き合いをしておくことも大切です。また、スマホのアプリに防犯・警報ブザーがあるのでダウンロードしてすぐに使用できるように設定しておきましょう。自分の代わりに大声を発してくれるアプリもあります。

高齢者における防犯対策

高齢者が住んでいる家は無施錠が多い、敷地内に鍵を置くなどが目立ちます。同居者がいるのであれば、施錠の確認、鍵の管理をきちんと行いましょう。

耳が遠くなっていたり、足腰が弱っている高齢者には、近所の人などの声かけや自治会の支援が必要です。自治会の活動の一環に防犯対策を取り入れ、こまめに高齢者住まいを確認してもらうよう協力を仰ぎましょう。高齢者が多い地域は、こういった人付き合いがキーポイントになってきます。古いタイプの鍵や窓鍵が緩くなっていたりするので補助錠などもすすめます。

また、仏壇や箪笥の引き出しなど、空き巣にとってはわかりやすい場所に通帳や印鑑をしまうことが多いので、貴重品の管理場所を変える、家族や親せきに連絡が付きやすいようにするなどの工夫が大切です。

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