有限会社P.C.WILL様

ねずみや害虫をいなくするという仕事ではなく、いない状態を維持することが仕事です。

主要なお取引先様は食品関連施設が多いとのことで、1つのミスも許されない責任あるお仕事をお受けしている京都の衛生管理会社P.C.WILL様。
代表の奥田様にインタビューいたしました。

目次

お客様のお家を自分の家のように扱う

P.C.WILL(ピーシーウィル)という社名ですが、多くの駆除業者さんとは異なり、ちょっと変わった名前ですね。

有限会社P.C.WILL 奥田様(以下 奥田):そうですね。PCはペストコントロールの略で(ペストコントロールとは人にとって有害・不快な生物の活動を人の生活を害さないレベルまで制御する技術のこと)、WILLは未来を表していて、「ペストコントロールの未来」という思いがあるようです。
あるようですというのは、もともと私はこの会社の従業員でして、以前の社長さんが付けた名前なんです。いろいろあって、今はこの会社の代表をしています。

そうだったんですね。ちなみに社訓の「好きにならな」というのは奥田社長が掲げたのですか?
奥田:そうです。仕事でもなんでもそうですが、好きなことって時間も忘れて一生懸命になりますよね。そういう意味を込めて掲げました。仕事も心から楽しい、好きだと思ってするのと、そうでないのとはでは結果に雲泥の差が出てきますから。
そういったことを社員の方にも伝えているんですね?
奥田:いえ、特に僕からは言いません。そういうことって、言って聞かせるものではないと思っているので。
心から湧き上がるものだと。
奥田:そうですね。こうしてはいけないとか、こういうことはダメというより、このようにしたらお客様が喜んでいただける。そういう観点で話はしますね。お客様に喜んでいただけたり、感謝されたりすると仕事をする側も嬉しいですよね。
お客様を好きになる。仕事を好きになる。そう思えるためにはどのようにするのがいいのか。例えば、お客様先の天井裏を見たりすることがありますが、その場合、脚立を使います。そういった脚立も屋内用と屋外用ときちんと分けています。外で使った脚立をそのままお客様のお家の中で使われたら、自分だったらいい気はしません。お客様のお家を自分の家のように扱う。こういったことも考えて仕事をするようにしていますね。

そういった心配りって嬉しいですし、大事なところでもありますね。

訪問後、営業のお電話は一切しません

奥田:あと、当社ではお客様のところへ調査に行って、お見積りをお出しするのですが、調査の後に、「いかがでしたか?」とお電話をすることはしません。例えばねずみ駆除ですと、それなりの費用がかかるものですから、お客様も当然、何社か相見積りを取られると思いますし、じっくり検討したいと思います。
ですから、お客様からその後お問い合わせやご相談は当然お受けいたしますが、基本的に当社から再度、営業のようなご連絡はなるべくしないようにしています。お伺いした際の当社の対応やご説明をお聞きになって、ご判断いただきたいと思っているからです。
見積りを取るとその後の営業電話が怖いというイメージってなんとなくありますからね。駆除のご依頼は一般家庭からが多いのですか?
奥田:いえ。もちろん一般家庭のお客様からも喜んでお受けしますが、当社は食品関連の工場や倉庫や飲食店様など企業様とのお付き合いがほとんどです。京都という土地柄、宿泊施設なども多いです。食品関連の工場や倉庫などの企業様の場合、衛生面は当然ながら、使用する薬剤もきちんとしなければいけませんので、衛生や食品の安全などを含めたご提案とご対応をしています。日本では特に衛生管理などにも厳しいですから、食品関連の企業のご担当者様へご提案できるような最先端の技術や知識を身につけていなければなりません。
すると日々、勉強していなければなりませんね。
奥田:昔と違って害虫が出るからと薬剤をあちこちに散布といったことは今ではありえません。環境や健康に影響を与えないような方法を取り入れていかなければなりませんので、技術や知識も当然ですが、そういったことに対応できる機材も用意する必要がありますね。以前は、1階の半分が機材などの倉庫で隣に事務所をおいていましたが、今は2階を事務所にして1階は丸々機材などの倉庫にしています。
それだけ機材も揃えて人員も増えていらっしゃるんですね。
奥田:人はたくさん増やしたりはしていませんが、必要な機材は全て揃えましたね。機材が増えて倉庫を大きくした形です。

いない状態を維持することが仕事

最新の機材や技術を取り入れて大変ですね。
奥田:そうしていかなければ、食品関連の施設の衛生管理などお受けできませんから。とにかく、害虫を駆除するというレベルではありませんからね。出ないことが第一前提で、その状態を維持することが仕事ですので、大変責任のある仕事になりますね。
なるほど。出ない状態を維持する。これは一般家庭でも当てはまりますね。
奥田:おっしゃるとおりですね。ですので、例えば一般家庭からねずみ駆除のご依頼があっても、粘着シートなどでねずみを捕獲だけするようなことはしません。侵入口をきちんと塞いで、防鼠工事を行うご提案をさせていただき、再発しないように、ねずみが出ない状態まできちんと行う。こういったお話をさせていただいています。
侵入する穴が空いていれば、別のねずみが入ってきますからこれでは根本的な解決になりません。きちんとした防鼠工事まで行うとやはりそれなりの費用がかかりますが、侵入口を塞ぐことがねずみ被害を止める重要な点ですので、申し訳ないですが、そこまでしなくていいというお客様や物理的に塞ぐことが不可能な場合にはお仕事をお断りさせていただいただく場合もあります。
ねずみというのは、様々な病原体を持っていますし、ねずみがコードをかじることによる火災も起きています。福島第一原発でもねずみが原因による停電も起きていますね。
こういうこともありますから、中途半端にお仕事をお受けするわけにはいかないのです。ましてや当社は食品関連の工場など上場企業様のお仕事をお受けしていますから、中途半端にお受けして事故でもあったら他のお客様に大変なご迷惑をおかけしますので、そういったことを踏まえて、きちんとしたお仕事をさせていただくようお願いしています。

逆にお受けする以上、徹底的にお仕事をされるということですね。
奥田:当然ですね。何度も言って申し訳ないですが、ねずみや害虫をいなくするという仕事ではなく、いない状態を維持することが仕事ですので。お客様の状況によりますが、その状態にするまで何度もご訪問するかもしれませんし、時間もかかるかもしれません。その代わりお引き受けした以上、徹底的にお仕事をさせていただきます。
ペストコントロール協会にも加盟されていますね。
奥田:はい。今度、ペストコントロール協会の京都支部の理事にも就任させていただくことになりました。
責任重大ですね!奥田さんが業界をリードしていくのですね。
奥田:とんでもない!私よりも多くの先輩方もたくさんいらっしゃいますし、若輩者の私がお受けして恐縮です。少しでも業界全体のお役に立てればという気持ちだけです。
今までの実績やお人柄で選ばれたのだと思います。本日はありがとうございました。
終わりに
大変、謙虚な奥田社長でしたが、駆除のお仕事の話では、中途半端な仕事はお受けしない!という確固たる姿勢がひしひしと伝わってきました。食品工場など繊細なお客様のお仕事をお受けしている故の信念あるお言葉だと思いました。

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