株式会社テオリアハウスクリニック様
シロアリ対策協会の役員を歴任されてきた株式会社テオリアハウスクリニックの代表の南山様。
シロアリは駆除ではなく、予防が大事と考えた先駆け的な企業。
現在も業界全体をリードしていく南山社長にインタビューして参りました。
- 目次
新築シロアリ予防で大手ハウスメーカーさんからお仕事をいただいていました
- 御社はシロアリ駆除でも歴史のある会社ですよね。
- 株式会社テオリアハウスクリニック 南山様(以下 南山):そうですね。昭和49年設立で来年で40周年になります。
- 私が生まれた年です(笑)
- 南山:元々、新築のシロアリ予防の専門の会社で始めてますから、創業の時の扱い品目としては、「新築の予防工事」これだけです。
- シロアリに喰われたから駆除するのではなくて、家を建てるときに予防工事をするということですね。
- 南山:そうです。今も当社はメインが予防工事です。新築に限らないですが、シロアリがいない状態のお客様に行って、いない状態を保つ。そのためのサービスを提供しています。シロアリ被害に遭わない状態にするということがメインの仕事になります。
- なるほど。それで住宅メーカーさんなどとのお取引が多いのですね。
- 南山:住宅・建築の一専門業者という位置づけになるかと思います。電気屋さんとか畳屋さんとか、そういったところと同じ立ち位置ですね。当時、そういった業者はあまりなかったですから。自然と大手ハウスメーカーさんなどからお仕事をお受けしていました。
- 一時期、シロアリ駆除業界でも問題になりましたが、一軒家のお宅に飛び込み営業でガンガン行くとかそういうのは一切なかったんですね。
- 南山:ないです。そもそもハウスメーカーさんからのお仕事をいただく形ですから、営業とか全然いなかったです。ただ、メーカー営業はいましたよ。ハウスメーカーの方と工程の打ち合わせとか。一般のお客様への営業はいなかったですね。一般のお客様と会う機会もなかったです。建築現場に行ってしまいますからね。
- なるほど。
- 南山:当然、新築でも何年かするとシロアリ被害も出てきますから、徐々にですが、メーカーさん経由で頼まれて、お客様宅の駆除にお伺いということもありますね。そういう形で頼まれて駆除ということはしていましたね。
いい加減なことをやっていれば、会社の存続はできません
- 南山社長は日本しろあり対策協会の副会長をされていらっしゃいましたよね?
- 南山:はい。今年はちょっと変わって理事になりましたが、以前から何かしらの役員には関わっています。
- 関東しろあり対策協会でも理事になられていらっしゃいますね。
- 南山:そうですね。
- シロアリ駆除業界の技術向上や業界全体を良くしていこうという思いで積極的に役員をしていらっしゃるのでしょうか?
- 南山:シロアリ駆除業界を良くしようということもあります。元々、協会の役割は日本の建物を良くしようということなんです。建物がシロアリ被害に遭わないようにという予防と、被害に遭ってしまった後の駆除ですね。今の協会の大きな役割は、結局シロアリの工事ってお客様に見えないですよね?
- 床下であったりしますからね。
- 南山:そうです。やろうと思ったら好き勝手できてしまいますから。ですから、施工の品質を協会で標準を作ろうということです。役割は大きく3つあり、1つは、シロアリ工事の「やり方」です。薬剤を撒くにしても、どこに撒くか、どのくらいの量を使うかなど。こういったやり方の仕様書を協会で標準を作りました。2つ目は、どんな「薬剤」を使うかということです。安全に予防や駆除を行うには、どの薬剤が良いか。これを認定しています。3つ目は、「人」です。薬剤とやり方を決めて、シロアリ防除施工する場合は、こういった技術と知識、実績を持った「人」がやってください。そのために資格を与えます。それがシロアリ防除施工士です。
- 誰が、何を使って、どうやるか。こういったことを協会で決めて、シロアリ防除施工の質を高めるための標準化をしているわけですね。
- 南山:そうです。たとえば値段だけでいうと、めちゃくちゃ安い値段でやる業者もいたり、場合によっては薬剤代より安い金額を提示する業者もいたりするわけです。実際何をやっているかというと、薬剤をちょっとしか使わないとか。そういうこともわからないですから。
- なるほど。薬剤を薄めたりされていてもお客様にはわかりませんよね。
- 南山:そうですね。
- 関東しろあり対策協会でも理事になられていらっしゃいますね。
- 南山:見えないところを施工するわけですから、薬剤じゃなくて水を撒いていたってわかりませんから。シロアリ駆除の場合は、死んだとか、いなくなったとかでなんとかわかりますが、予防の場合は、そもそも「シロアリ」がいないですから、ちゃんとした工事をしたかはわからないわけです。それで2年とか3年して、しろあり被害が出て初めてわかるわけです。だからこそきちんとやっているという証が必要ですね。
- そういう意味でも御社のように社歴が長いというのも信用だったり証でもあるわけですね。
- 南山:それもあるでしょうね。いい加減なことをやっていれば、会社の存続はできませんから。ましてや、当社は大手のハウスメーカーさんからのお仕事がメインですから。
- 協会で定めた通りにきちんと予防すればどのくらいの割合で被害が出ないのでしょうか?
- 南山:ちゃんとやれば100%に近いですよ。ただ、相手も生き物ですから。不可抗力もあり得ます。それも含めてきちんとやっていれば、事故は何千件に1件の割合でしょう。何千件に1件が優良駆除業者の事故率だと思います。 逆に事故がゼロと言うような業者は怪しいですね(笑)やっぱりイレギュラーなことはありますからね。当社でも事故はあります。不可抗力なことで起きますから。ただ、きちんとやっているにもかかわらず、何十件に1件事故が起きるというのはこれは技術がないということでしょうね。
- 予防すれば5年くらいはシロアリ被害に遭わないと聞きますが。
- 南山:そうですね。薬剤の効力がそのくらいですね。これはしろあり対策協会が決めていますが、効き目が長すぎたり強すぎるものは「難分解性」と言って、分解しづらい薬剤なわけです。こういったものは健康にも環境にも良くないので使わないようにしています。そういう思想で薬剤を決めているので、協会認定の薬剤の効果は概ね5年です。
- 5年経過する頃に再度依頼するといいのですね?
- 南山:薬剤というのは、5年経過したら急に効果がなくなるというのではなく、緩やかに減っていくわけです。6年経過したからといって、効果がゼロになるというわけでもないのですが、時間が経過して効果が緩やかに減っていくことでしろあり発生の確率は上がっていくわけです。概ね5年の効果があると言われていますので当社は5年の保証をつけています。
- 5年ごとにきちんと予防すれば安心ですね。
- 南山:シロアリ予防で10万円とか15万円くらいですから、5年もつと考えれば年間2~3万円なわけです。被害にあって30万円、50万円と家の修理のコストを考えれば、5年毎の予防がいいと思いますね。
予防や駆除も当然ながら、その見た目や仕上がりまで手を抜くわけにはいかない
- あと、御社では1級建物アドバイザーの資格を持った方がたくさんいらっしゃいますね。
- 南山:そうですね。シロアリの予防をメインに、もちろん駆除もやっていますが、そもそも建物が傷むのを防ぐというのが当社のコンセプトになります。建物が傷む原因というのは、シロアリだけではないですね。
- 雨漏りとか
- 南山:ええ。大きな原因の1つは、水分です。生物劣化といっていて、腐れなんかもこれは菌類によるものなんです。当社はこうした水分や生物劣化を建物全体を見て防いでいこうと考えているわけです。建物全体となると、シロアリだけの知識ではダメで、建築系の知識が必要です。基礎だったり壁とか天井、建物の傾きだったり。シロアリだけじゃなく、建物全体の検査も行い、建物の診断書をご提出しています。そういうことで1級建物アドバイザーの資格取得をさせています。
- 建物全体のアドバイザーというわけですね。
- 南山:ですので、シロアリがメインではありますが、ねずみやゴキブリ、黒アリ駆除なんかのご要望にもお答えしています。
- なるほど。御社でねずみの侵入口の塞いだお写真を拝見すると、非常にきれいに丁寧に施工されていますね。
- 南山:元々、当社は今もそうですが、ハウスメーカーの仕事をメインにやっていますから厳しいんですよ(笑)
- なるほど! 大手のハウスメーカーさんですとチェックも厳しいですものね。
- 南山:仕上がりとかね(笑) ですから、当社の場合は、一般のお客様以外に第三者がいるということなんですよ。ハウスメーカーというね。予防や駆除も当然ながら、その見た目や仕上がりまで手を抜くわけにはいかないですね。
- 仕上がりまできちんと行うということが御社のスタンダードになっているのですね。
- 南山:そうですね。
今後は、住宅全般のご相談役というようなことを
- 御社の今後についてお話いただけますか?
- 南山:シロアリ予防をメインに駆除も行っていますが、そういったものは住宅一部の問題です。今後は、住宅全般のご相談役というようなことをしていければと考えていますね。
- シロアリで5年間お付き合いするわけですからね。
- 南山:やっぱり昔と違って、町内に信頼出来る棟梁がいるという時代じゃないですからね。シロアリや害虫・害獣の駆除といったものだけでなく、雨漏りや建物の劣化だったり。そういう時に、どこに頼もうと思ってもやっぱり不安だと思うわけです。
- 確かに。そういう業者さんの情報もあまりないですし、知らない業者さんが来るのは抵抗ありますからね。
- 南山:当社で出来ることはご協力しますし、そうでない場合は、ハウスメーカーさん繋がりで、良い業者さんをたくさん知っていますのでご紹介したりとか。そういったことができればいいなと考えています。
- 困っている時に来てもらう業者さんてなんだか怖いですよね。
- 南山:そうそう。とりあえず業者が来て、5万円です!って言われてもね。
- 断りにくいですもんね。
- 南山:そういうトラブルの時でも相談いただければいいですね。相談するだけでも違いますからね。
- 本当にお客様のことを考えていらっしゃるのですね!トラブルの際にもご相談させていただけるなんて、とても心強いと思います。本日は、貴重なお話をありがとうございました!
- 終わりに
- シロアリ駆除業者さんに来ていただいても、ここまでわかりやすくご説明いただくことも少ないと思います。しろあり対策協会の役員を歴任されてこられこその責任感やしろあり、住宅への熱意を感じました。
こうした信用がハウスメーカーさんとの継続したお取引や社歴に現れているのだと思います。