キタザワサービス様
ねずみ・害虫駆除は止めて当たり前という竹内様。
使用する薬剤も徹底的に調べて、お客様に安心してご依頼いただきたいと語る
キタザワサービス代表の竹内様にインタビューいたしました。
自分の仕事をしたく独立
- 駆除の業界に入ったキッカケは?
- キタザワサービス 竹内様(以下 竹内):フランチャイズ展開している駆除会社に入ったのがキッカケですね。初めて一人で行った現場は、小さなスナックでした。初めての現場だったのですが、普通にゴキブリがいたのですをピタっと止めることができて。あぁ、こういうもんなんだって初めてわかった瞬間でした。自分がひとりで入ってゼロにして、お客様に大変喜んでいただいて。とても嬉しかったです。
- なるほど。
- 竹内:仕事も楽しくなってその会社でしばらくやっていたのですが、フランチャイズなので、本部から結構いろいろと言ってくるんですよ。で、しまいにはお客様先に訪問して10分で終わらせろって言ってきたんですよ。お客様の所行って10分で終わらせろって!
- 何もできないじゃないですか!
- 竹内:できないですよ! 例えば朝、お客様先におはようございます!とお伺いして、駆除する道具とか薬剤の用意とかして、少しお客様とお話したら10分なんかすぐ経っちゃいますからね。最初はソフトだったんですが、でもだんだん強くなってきて、これはもうダメだと思いました。それじゃあ辞めよう、辞めて自分でやろうかなって思ったんです。お客様も納得しないですしね。それで辞めたんですよ。辞めてもお客様もゼロだし、能力もないし、何にも無い無いだらけでスタートしました。
- 1件1件ご自分で営業されたんですか?
- 竹内:お客様いなかったですからね。安い印刷屋さん探して、3000枚とか6000枚とかチラシを作り、あとポスティングですよね。ばーって1日中、飛び込みやったりポスティングやったりとかしていました。そこから仕事が少しずつ入ってきてって感じですかね。
お客様先で使用する薬剤は徹底的に調べます
- 竹内:薬剤も今ほど知らなかったので猛勉強しましたね。以前の駆除会社なんかでは薬剤もほとんど1種類くらいしか知らない。だから随分勉強しましたよね。
- すごい勉強していますよね。もう勉強っていうか、なんですかね、研究?
- 竹内:薬剤のこと調べるのは面白いですよ。やっぱり世の中すごい数の薬剤があるので、知らない薬剤もいっぱいある。医者でも薬剤師でも知らない薬あるじゃないですか、それと一緒で知らない薬剤を出くわしたらすぐ調べて、どういう特性があるのだとか、危険度はどうだとか。
- 薬剤は農薬と一緒だと言う方もいらっしゃいました。
- 竹内:あと、我々が飲む薬とか使う薬剤もそうですけど、例えば有効成分が同じでも出来たものでもAとBって違います。例えばうがい薬。よくうがい薬を使うんですけど、ドラッグストアとかいって薬剤師の人にうがい薬を尋ねると、いくつか種類がありますが、有効成分は一緒なんですよね。有効成分は同じなので、安いこっちのほうがお得ですよってすすめられるんですけど、実際使ってみると全然違うんです。
有効成分が一緒なのに何故違うかというと、その他の含まれる成分が違うから変わるんです。そういうことが害虫駆除の薬剤にもあるんです。ベイト剤なんかもそうです。有効成分は同じなんです。例えばヒドラメチルノンA・B入っています、予防成分0。02ミリと量が同じ。同じ量が入っていても、ヒドラメチルノンだけでできているわけではないので、他の物を入れてできるわけじゃないですか、だから全然違うものができるんですよ。そういうことが薬剤ってよくあるんです。 - 使用する薬剤を徹底的に調べておきたいのですね。
- 竹内:薬剤って必ずデーターシートってあるんです。薬剤が世の中に出るときにはデーターシートが必ず必要なんですけどね。例えばデーターシートにAっていうベイトがあったとします。Aっていうベイトに有効成分ヒドラメチルノン、そのほか何が入っているのかって書いていないのでわからないんです。
- そこまでして調べる理由はなんですか?
- 竹内:自分がお客様のところで使うので知る義務があると思ったんです。
- なるほど!
- 竹内:知る義務ありますよね。例えば三浦さん(インタビュアー)のお宅に行って、全く知らないで劇薬を駆除で撒いて、三浦さんの奥さんが具合悪くなったらどうします? 極端な話ですが、嘔吐したりとか頭痛がしたりしたらどうします?
- 悲しいです。
- 竹内:ですよね。だから、薬剤のことは使う側として必ず知る権利があると思うんです。
- なるほど。
- 竹内:そういう情報が全部遮断されるんだったら、これからそういう時代になるかもしれないですけど、そういう風にされたら困ります。今はもしそうなったとしても、違う方向で調べようとすると思います。例えば何十年も研究している研究者のレポート読んだりとか、大学教授生物学のレポートとかネットで今は手に入るので、読んだりとか、すごい勉強になるんですよ。だからちょっと話すといろいろ興味ある方は聞いてきますし、よく聞かれます。
- お客様も安心してご依頼したいですからね。
- 竹内:だから聞いてこられるお客様にはご説明してさしあげるんですが、結構喜ばれますね。春・夏になるといろんな駆除商品が出始めるじゃないですか。自分もホームセンターとかドラッグストア行って、見たことない薬剤は必ずチェックします。
有効成分はなんだろうって。で、知らなければ調べる。メモっといて調べるとか。それがいけなかったら商品名だけ書いて、商品名をネットで調べるとか。それでまた有効成分別で調べてとか。そういうのはよくやりますね。
良い業者かどうかは現場見るとすぐにわかります
- ゴキブリの卵鞘(らんしょう)を持っていらっしゃるんでしたっけ?
- 竹内:まだありますよ。生まれていないだけですもし見たいという方がいらっしゃったらお見せします。
- なかなか見る機会ないですもんね。
- 竹内:多くのお客様は見たくないでしょうけど、熱心なお客様もいらっしゃいますから。あとは、だいたいどれくらいで孵化するかっていうのはデータ上は知っていても、どういった条件だとどのくらいの割合で孵化できるのかという研究も兼ねています。
- お客様のために研究熱心ですね。他の業者さんでもそういう方はいなかったです(笑)
- 竹内:卵鞘持ち歩いている人はいないでしょう(笑)他の業者さんといえば、既に業者さんが入っていて止まらないというお客様からのお問い合わせも多いですね。
- 行ってみると止まらない原因がわかりますか?
- 竹内:わかります。どういう業者さんなのかよくわかりますね。巣を見逃す業者さんもたくさんありますし、仕事が雑だなと思うところもありますし。逆にすごく綺麗に、びっくりするくらい丁寧にやっているなという業者さんもありますよ。そういう丁寧な業者さんは本当に数少ないですけど。現場見るとすぐにわかります。
例えば、既に駆除業者さんが入っているけどねずみが止まらないっていうお客様先に訪問して、防鼠工事の状況を見ていくじゃないですか。このラインはしっかり綺麗に防鼠工事ができているんだなーと、それで、ずっと見て行くと、突然からスポーン!と工事していないとか(笑)ここまでしっかりやっているんですけど、ここからここは全然ガラガラに空いているとか。やっている意味ないじゃないか!って思いますね。 - お客様が見える範囲内だけやってという感じですか?
- 竹内:いや、お客様でも覗き込まないと見えない。
- 手抜き工事みたいな感じですね。
- 竹内:そうですね。あとちょっとやればいいだけなんですけどね。
- お客様も分からないですもんね
- 竹内:そうですね。そういうところをお客様にきちんとご説明して、ピタッ止めるとお客様に喜んでもらえるのが嬉しいですよね。だから中途半端なことは絶対にしたくないんです。
- 原因がわかってお客様も安心ですしね。
- 竹内:ねずみが何度も侵入していたのに完全に封鎖して。あぁもう出なくなって良かった!って言ってもらえた時がもう何よりも嬉しいです。きれいごとに聞こえるかもしれないですけど、そういうのってお金じゃないんですよね。
- お客様に心から喜んでいただくことが嬉しいですよね。
- 竹内:やっぱりそこが一番ですかね。やってよかったなっていう瞬間です。
出ないようにお客様のお家やお店を守っていくのが仕事なんです
- お客様に説明するときに気をつける点とかはありますか?
- 竹内:変にごまかさず、素直にすべてを答えることにしていますね。気をつけているわけじゃなくて、自分がそういう人間なので。自分がごまかされること嫌いだから、相手もごまかしたくないんですよね。
- なるほど。
- 竹内:だからデメリットもそのままお話しますし、それでうちが厳しいってなれば逆にお受けしません。無理に入ったってお互いに迷惑なんで。だから今日いったところもそうだったのですが、じゃあうち無理ですねって言って帰ってきます。例えば、ねずみ駆除で粘着シートだけ敷いて捕獲してくださいと言われても、きちんと侵入する穴を塞がなければ必ず再発しますから。粘着シートだけでは永遠、仕事が終わらないんです。いつ終わるかわからない仕事でいくらって決めてできませんから。
- ようは止めること、止めて終わらせることを仕事にしたいってことですね。
- 竹内:そこを履き違えちゃいけないんです。止めるのは仕事じゃないんです。止めるのは過程なんです。
- それをいかに継続させるか。
- 竹内:止まったら仕事が終了ではなくて、出ないようにお客様のお家やお店を守っていくのが仕事なんです、本来は。止めるのが仕事だと思っている業者もいますけどね。止めるのはゴールじゃない。それは過程なんです。
- なるほど。熱い思いが伝わりました。本日はありがとうございました。
- 終わりに
- お話するといつも駆除や薬剤について熱い思いが止まらない竹内様。
お客様のことを第一に考えてのことだと思います。