ねずみの怖い話~ねずみ被害の実話集

ねずみは、たった一匹いるだけでも怖い動物です。汚い・不快というだけでなく、重大な問題を無数に引き起こします。ここではねずみがもたらしてきた被害について、実際のエピソードをまじえて紹介していきます。

なお、今すでに、ねずみの被害を受けているという方は、専門の業者に相談されることをおすすめします。「ねずみの気配がする」「一度だけ見かけた」というレベルなら、自力で駆除や対策もできるかもしれませんが、目に見えて被害が生じている段階だと、専門家による駆除を検討すべきです。

噛みつき被害/赤ちゃんと老人が被害者に。アレルギー、病気の原因にも

赤ちゃん・寝たきり老人への噛みつき被害

ねずみはとても用心深く、賢い動物です。小さな子ども・老人しかいない場合、大人がいる家に比べて活発になることがわかっています。その際、寝たきりの老人や小さな赤ちゃんに噛みついて肉をかじっていくことさえあります。

同様の事故は毎年、何件も起こっています。ねずみに噛まれた傷は、角度によっては縫うことができず、大きな傷跡が残ることもあります。

更に、海外では信じがたいような事件も起こっています。

アメリカでは、生後数か月の赤ちゃんがねずみに全身を何百カ所もかじられて死亡する、という事件が報告されています。
また、南アフリカでも親の隣で眠っていた赤ちゃんが顔をねずみに食べられてしまう事例が発生しており(アフリカのねずみはとても巨大です)、毎年深刻な被害が出ています。
更に日本のすぐ近くの台湾でも、ねずみに腕を噛まれた赤ちゃんが靭帯まで傷が届くほどの大怪我をした事例があります。

鼠咬症、アナフィラキシーショックの被害

ねずみに噛まれると、怪我以外にもさまざまな危険があります。特に怖いのが、鼠咬症とアナフィラキシーショックのふたつです。

鼠咬症は、ねずみの持つ菌(スピロヘータ、モニリスホルムレンサ桿菌)が傷口から入ることで引き起こされる病気です。
肺炎・肝炎、胃潰瘍を発症することもあり、日本でも寝たきりの老人がねずみに噛まれて感染した事例があります。海外の例ではアメリカで、ペットショップのねずみに噛まれただけで感染し、死亡したケースも起こっています。

アナフィラキシーショックは、ねずみに噛まれて起きる強烈なアレルギー症状です。ハチに刺されて発症するものが有名ですが、ねずみの場合でも同様に発症します。

症状は全身の腫れに呼吸困難、意識を失うこともあります。1度落ち着いたように見えてもしばらくして再び状態が悪化することがあり、発症した際には入院が必要です。2004年には、ハムスターに噛まれた男性がこの症状で死亡した事故が日本でも発生しています。1995年以降に限っても、同様の事故が約20件起こっています。

アナフィラキシーショックについてテレビ・漫画・映画の影響でよく勘違いされているのが、「2度噛まれないと発症しない」という認識です。
確かにそういったケースはあるのですが、アナフィラキシーは、1度噛まれただけでも起こり得ます3、4度噛まれてはじめて発症する人もいます。とても個人差が大きく、噛まれたことがなくても油断は禁物です。

ねずみ(ドブネズミは人に向かってくることがあります)を見つけても、不用意に近づかないでください。

ねずみの病原菌被害/治療方法がないもの・死亡率の高い伝染病も多数

ねずみは噛みつき被害を出すだけではありません。

  • ・ねずみ自身の体
  • ・フン尿
  • ・連れているダニ・ノミ

これらの中に、怖ろしい病気の原因となる大量の病原菌を抱えています。

ねずみが媒介する病気とその原因

病原菌名 引き起こされる病名
ハンタウイルス 腎症候性出血熱・ハンタウイルス肺症候群
サルモネラ菌 食中毒・腸チフス・パラチフス
レプトスピラ菌 レプトスピラ症
ツツガムシリケッチア(を持ったダニ) ツツガムシ病
E型肝炎ウイルス E型肝炎
ペスト菌(を持ったノミ) ペスト

ハンタウイルス

ねずみが運ぶ病気で最も恐ろしいのが、フンの中にいるハンタウイルスです。
腎症候性出血熱(HFRS)・ハンタウイルス肺症候群(HPS)という病気を引き起こしますが、これらの病気には、ほとんど有効な治療方法がありません。感染した場合には拡大を防ぐため、国への報告が義務付けられています。

腎症候性出血熱は、20世紀初頭から世界中で多数の死者を出してきた病気です。発生地域によっては死亡率が15パーセントにものぼり、中国では50年間で4万人以上が亡くなっています。
ワクチンは一部の国以外、不認可です。日本でも大阪で100人以上が感染し、2人が亡くなるという事例が起こっています。発症すると発熱に頭痛、腎不全などの症状が見られ、人工透析が必要になる場合があります。

一方のハンタウイルス肺症候群には、ワクチンどころか治療法も存在しません
1993年にアメリカで原因がわかったばかりの病気で、解熱剤投与などの対症療法で治るのを待つしかないのが現状です。初期症状は風邪に似ていて、アメリカ・カナダでは感染者のうち、50パーセント近くが死亡した事例も報告されています。
日本での感染例はほとんどありませんが、ドブネズミがウイルスを運ぶことから、今後大量感染が起こる可能性もあります。

サルモネラ菌

食中毒の原因として有名なサルモネラ菌も、ねずみが媒介する細菌です。

ねずみの体だけでなくフンにも大量に含まれていて、触ると感染してしまいます。感染した場合、食中毒だけでなく、チフス(腸チフス・パラチフス)を発症する可能性があります。

腸チフス・パラチフスにかかると、バラ疹というピンクの発疹が出るのが特徴です。重症の場合、腸に穴が開くこともあります。乳幼児が感染した場合、髄膜炎を起こし大変危険な状態となります

更に恐ろしいことに、チフスには『健康保菌者』と呼ばれる、感染してもなんともない代わりに、ずっと体内にチフス菌を持ち続ける体質の人が存在します。この体質の人が感染すると、自覚のないままチフスの被害を拡大させてしまいます。実際の例では1900年代初頭、アメリカで健康保菌者の女性がチフスに感染したために数十人がその被害を受け、最低でも3人が死亡したという記録が残っています。

レプトスピラ菌

レプトスピラ菌が原因になるレプトスピラ症は、日本でも古くから知られている病気です。特に、沖縄県での発生が目立ちます。
人間だけでなく、他の動物にも感染するのが特徴で、ペットの犬・ハムスターが感染し死亡するケースも見られます。逆に、ペットから人間へ感染する場合も少なくありません。

人間が感染した場合、重症例ではエボラ出血熱のように全身から出血し、死亡率50パーセントという高い死亡率で死に至る事例も記録されています。

ツツガムシ病

ねずみの体についたダニ(ツツガムシ)が原因の病気です。高熱と全身の発疹、独特の傷跡をつくるダニの刺し傷が特徴ですが、重症になると血液が血管の中で固まる症状を引き起こします。最悪の場合多臓器不全を起こして死亡することもあります。
予防ワクチンは存在しません。

E型肝炎

日本やアメリカで、増加し続けている病気です。妊婦や高齢者は重症になりやすく、流産の危険性が高まります
治療に有効なワクチンはありません。2002年には3人の死者も出ています。

ペスト

ねずみが媒介するものとしては最大の犠牲者を出した病気です。その数は、14世紀にはヨーロッパ人口の3分の1がこの病気で亡くなった、と言われているほどです。『黒死病』として古くから恐れられてきました。
海外ではいまだ年間5000人以上が感染する病気であり、1994年にもインドで大量感染が起こり大パニックとなりました。海外旅行の際には注意が必要です。

ねずみの被害は家・お店・会社の建物にも/停電にインターネットの断線、火事の原因に

ねずみは停電や火災の原因となり、大きな被害を家や会社に出すことさえあります。

ねずみによる停電・ネット回線の断線

ねずみはあたたかいところ、狭い場所、近くにエサがある場所に好んで侵入します。飲食店のキッチンの配電盤、天井裏の断熱材といった場所ははまさにねずみにとって天国と言えます。これらにねずみが入り込むと、停電の原因になってしまいます

ねずみには、一生伸び続ける歯を削るために何でも噛みつく習性があります。配電盤や天井裏には、ねずみが噛むのに適した太さの配線ケーブルが無数に張り巡らされています。

それらがねずみにかじられ、噛み切られると、停電の原因になります。

また、ねずみによる断線被害は、家の中の電線だけでなくインターネット回線のケーブルにもみられます。

電線・ネット回線の切断は一般家庭でも大変困った事態です。
しかし、業務のデータがインターネットでまとめて管理されている大きな会社にとってはなおさら、非常に重大な問題となります。場合によっては、莫大な金額の損害が生まれることさえあり得ます。

被害が拡大する前に、特に会社や業者はネズミの傾向が見られたらプロの駆除業者に調査、駆除を依頼することをオススメします。

ねずみによる漏電火災

配電盤・屋根裏に入り込んだねずみが起こすのは停電やケーブルの断線だけではありません。火災の原因になる可能性も秘めています。

ねずみにかじられたケーブルからは、表面を包んでいる絶縁体が削れて、剥げ落ちてしまいます。むき出しになった電線からは漏電が起こります。結果、ショートによる火花が起きて、まわりへと燃え広がる漏電火災が発生します。

またケーブル自体のショートだけでなく、それをかじっている間に感電死した、ねずみの死がいが火元となるケースもみられます。これらはけっして珍しいことではありません。
東京消防庁では毎年20件前後の火災がねずみによるものであると発表しています。更に2010年5月には長野県で立て続けに2件、ねずみが原因とみられる漏電火災が起こっています(いずれも全焼)。

電線や回線などのケーブルの断線が少しでも発覚したらネズミの侵入を疑い、速やかに駆除業者に依頼した方が無難です。気付かないうちに漏電していたり、火災が発生しては取り返しがつきませんので、日頃からケーブルの類はこまめにチェックするようにしましょう。

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